2019年12月08日

「高梁川東西用水組合」事務所棟

先日、高梁川東西用水組合(倉敷市)の「中の人」のご厚意により、事務所棟(1926年/大正15年竣工)を見学させていただきました。やったー。
(参考記事/酒津15連樋門

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明治44年(1911年)から大正14年(1925年)年にかけて高梁川の改修工事がおこなわれ、同時に高梁川東西用水組合が設立されました。その事務所棟としてつくられたのがこの建物です。今も現役。

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ポーチの柱がいかにも当時のデザイン。アール・デコ調です。

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S形瓦。

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建物をぐるりと囲う盛り土が特徴的。まるで川に沿う堤防のよう。

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1階と2階のあいだの踊り場。

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親柱のレリーフが気になりました。3つの丸と、10個の丸。なにかを意味してるのでしょうか。

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ランプもかっこよかった。

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この事務所棟はわずか半年でつくられたそうです。それが90年以上も残ってるんですねえ。

見学を快く承諾してくださり、ご案内までしてくださった高梁川東西用水組合のHさん、どうもありがとうございました。

高梁川東西用水組合では現在、高梁川改修工事の歴史をまとめた記念本をつくっているそうです。来年(2020年)刊行予定とのこと。完成を楽しみにしています。




posted by pictist at 01:53| 都市鑑賞

2019年12月07日

さよなら高島給水塔

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高島給水塔(岡山市中区新築港、1977年/昭和52年竣工)のお別れ鑑賞会をしてきました。来年(2020年)、解体されるという情報が入ってきたからです。

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この給水塔、近くの島(高島)に送水するためのものだと思っていたら違ってて。入港する船や港湾施設に給水するためにつくられたとのこと。そもそも高島に住民はおらず、水を送る必要はないと。ここが「高島埠頭」だから高島給水塔なのでした。

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この上についてるナミナミのやつ、遠目にチェーンかなと思ってたらアルミ製の柵でした(設計図面で確認)。わざわざこうやってカーブさせたものをつくったんですね。かわいい。あと窓もかわいい。

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ここはかつて「西部警察 PARTIII」 第39話、「激闘!! 炎の瀬戸内海」(1984年2月12日放送)のロケ地になった場所。高島給水塔も映っていました。

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炎越しの給水塔。よく見ると上に人がいることが分かります。撮影隊でしょうね。今回の鑑賞会は団地マニアのはたっちさんとラジオ塔研究者の一幡さんの3人で行ったんですが、はたっちさんは幼い頃、このロケを親御さんに連れられて見ていたそうです(記憶には残ってないけど)。

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高島給水塔は、海のほうを向いています。正面(窓と入口がある側)が港湾側から見えるように建てられている。役割を考えれば当然のことなんだろうけど、なんかいいなあ、と思いました。多くの人はきっと街側(背中側)からしか見たことがないはずです。

港湾で働く人たちだけが、いつもこの給水塔と顔を合わせていたんですね。





posted by pictist at 03:21| 都市鑑賞

岡山芸術交流「おかやま街角鑑賞」の記録

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終了してだいぶ経ちましたが、振り返りの記録です。

岡山芸術交流2019の関連プロジェクトとして「みんなで見つける おかやま街角鑑賞」というイベントを企画しました。2016年に作成した「岡山芸術交流オルタナティブマップ」を発展させ、次のステップとして考案したものです。

私たちオルタナティブマップの制作者が選んだ鑑賞スポットを見て楽しんでいただけるのはとてもうれしいのですが、それで終わりにするのではなく、今度は地域のみなさんにも参加(発見)してもらおうと考えました。そこで、みなさんに「私の鑑賞作品」を投稿してもらうことにしたのです。

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2016年に制作した「岡山芸術交流オルタナティブマップ」で私が一番伝えたかったことは「街にあるものを『作品』として鑑賞してみると面白いよ」ということでした。オルタナティブマップに掲載した鑑賞スポットは、あくまでも制作した3人の目線(価値観)で切り取ったもの。もっとたくさんの目線が集まれば、より豊かな鑑賞につながるだろうと思うのです。

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10月・11月に、奉還町のKAMPさんと岡ビル市場でトークイベント&街歩きを開催。みなさんが投稿してくださった写真を見るのはとても楽しかったです。その場で30分間だけ会場周辺を撮り歩くという限定された条件ではありましたが、それでもこちらがハッとする写真をたくさん見ることができました(2回とも参加してくださった方も何人かいてうれしかったです)。

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「街を見る=自分にとっての鑑賞価値を見つける」ことが多くの人にとって当たり前になっていけばいいなと思っています。誰かに「これは見る価値がありますよ」と言われたから見るのではなく、自分で見る価値を決めること。そこには正解も不正解もありません。「私にとってグッとくるもの」を見つけるのって、単純に楽しいんですよね。自分の見つけたものが他の誰かに伝わったら、もっと楽しい。逆に「他人の価値観にハッとする」のも楽しい。

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イベントでは、私が撮り集めた街角写真を例として紹介しました。参加者の方にとっては「当日、その場で見つけて投稿しなければならない」という条件があったため、参加しやすいように、意識的にビジュアル系のネタ(看板や壁など)を中心に紹介しました。

でも本当は、表面的な「見た目」だけで選ばなくてもいいんです。例えば商店。何十年も営業しているお店が岡山にはたくさんありますよね。「見た目」ではなんの変哲もないお店だったとしても、歴史を知ると「これは街の財産だね」ということになる。「じゃあこのお店の包み紙のデザインを鑑賞作品として切り取ろう」と思ったり。これはほんの一例ですが、そういうふうに時間をかけて街とコミットしていけば、価値を見つけ、鑑賞スポットとして切り取ることができるはずです。

そうしたアクションが特別なものではなく、みんなにとって当たり前になっていけばいいなあ、といつも思っています。そうなれば、「みんなで見つける」を超えて、今度は「みんなでつくる」おかやま街角鑑賞につながっていくのではないでしょうか。

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今回のイベントでは2回とも私がレクチャーしましたが、例えば都市鑑賞系の作家さんをゲストにお招きして、「ソトの眼」を借りつつ一緒に街歩き&イベントができたら、より有意義な時間をお客さんに提供できるのになあ……と思ったりしてました。しかし限られた条件の中でなかなかすべてを実現することはできず。またいつかそのような企画ができることを願っています。

参加いただいたみなさま、どうもありがとうございました。


岡山芸術交流オルタナティブマップ



タグ:都市鑑賞
posted by pictist at 02:03| 都市鑑賞

2019年09月09日

岡山市民会館と山陽放送会館

岡山市民会館(1964年/昭和39年竣工)が紹介される際は、たいてい下記の方向から見た外観が出てきます。ホールの玄関前。

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外壁のスリットが特徴的で、全体は八角形。上から見るとこんな感じです。



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でもホール棟だけが岡山市民会館ではないのだ。少し歩いて南側も見てほしい。隣接している会議室棟はまったく違う姿をしてるんです。

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花ブロックを思わせる有孔コンクリートブロックで構成。そして、このさらに南側にあるRSK山陽放送会館が、こちら↓

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似てますね。それもそのはず、設計したのは岡山市民会館と同じ佐藤武夫。しかも山陽放送会館のほうが先に完成していて、2年先立つ1962年/昭和37年竣工。つまり岡山市民会館と山陽放送会館は、一体的に計画してつくられた建物なのです。上写真、左下に小さく見えているのが先ほどの会議室棟。

両棟の間で撮った写真がこちら↓ 右が岡山市民会館会議室棟、山陽放送会館。鏡に写ったかのよう。

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下の写真は西隣にある旧内山下小学校から山陽放送会館を見た様子。屋上にある塔屋の外壁が、岡山市民会館のホール棟そっくり。こんなところで両者が響き合っているのです。

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RSKは2021年に社屋を移転するとのこと。この山陽放送会館はどうなる予定なのか知らないんですが、一度、中を見学させてもらいたいなあ・・・。ラジオの収録で2度ほど入ったことあるけど、ゆっくり見てまわる余裕はなかったので。


【追記】後日、山陽放送会館の中を見学させていただきました!
>>ミッド昭和が息づく山陽放送会館





posted by pictist at 08:43| 都市鑑賞

2019年09月07日

岡山市民会館のかっこいい場所

岡山市民会館は、この場所がいちばんかっこいいのではないかと思う。

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手すりがカクカクと折れ曲がり、四方へ伸びる。三次元に浮かぶ直線がかっこいい。このかっこよさがなぜ生まれるのかというと、ここが中二階だからだ。中二階だから階段が短い。階段が短いから手すりの多彩な動きが一望できる。

この中二階がどういう構造になっているのかというと、こう。

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ホワイエとして利用されている。

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1階から見た様子が次の写真。

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1階から下へも半階下がったフロアがあり、さらにそこから半階降りたところにトイレがある。半分ずつ動いていくスタイル。

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↑中央やや右に見えている明るいところがトイレ。

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あちこちに伸びる手すりが空間を引き締める。

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ピクトさんもいました。岡山市民会館は1964年(昭和39年)竣工なので、最初からピクトさんはいなかったと思うけど。

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階数表示やガラスブロックなども見どころ。

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2階のホワイエとモザイクガラス。ここは特徴的なのでよく紹介されがちです。

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スペーシー。

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先日、見学会が開催されたので見てきた記録です。普段ライブ鑑賞などで入ったときは人が多くてゆっくり鑑賞できないので、ありがたかった。




posted by pictist at 11:28| 都市鑑賞

2019年08月27日

櫃石島インターチェンジの高架橋脚

瀬戸中央自動車道、櫃石島(ひついしじま)インターチェンジの高架橋脚。六角形ならではの陰影がすてき。

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posted by pictist at 20:13| 都市鑑賞

2019年08月25日

「express」に寄稿しました

セゾンカード会員誌「express」2019年9月号のピクトグラム特集に寄稿しました。「ピクトさん、いつもありがとう」と題して国内外のピクトさんを2ページにわたって紹介しています。

1964年東京オリンピックのピクトグラム制作メンバーの一人だった原田維夫さんのインタビューもあり、読み応えのある特集になっています。

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タグ:ピクトさん
posted by pictist at 23:54| 執筆