2023年08月27日

さよならcommon cafe

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大阪のcommon cafeさんが今月(2023年8月)で閉店されるそうです。common cafeは私が初めてトークイベントに登壇した場所。ちょっとさびしいニュースですが、場所は発展的に次の施設へと継承されるそうです。

2004年に吉永健一さんのお誘いで、大山顕さんたちと「団地・ダンメン・ピクトさん」というイベントをおこないました。当時は一般の人がこうした形式のトークイベントをおこなうのは珍しく、先駆的な試みだったと思います(東京カルチャーカルチャーのオープンは2007年)。

私は長年「見たことあるのに、見えてなかった」を自分の活動テーマとして掲げ、プロフィールにも記載していますが、この言葉は「団地・ダンメン・ピクトさん」のときに考えたものなのです。イベントのフライヤーを私がつくったので、その流れで考案しました。以来19年間、使い続けています。

19年前が昨日のことのようです。

posted by pictist at 22:43| あれこれ

2023年07月04日

写真展示『塀を越えて・2』

写真家の広瀬勉さんが経営する高円寺のバー鳥渡(ちょっと)で開催中の写真展示『塀を越えて・2』に参加しています。前回『塀を越えて』に続いて2度目の参加になります。

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私は「ペットボトルのない風景」という作品を提出しました。「ある風景」ではなく「ない風景」です。

2023年7月23日まで。

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2022年12月30日

岡山芸術交流2022について

11月27日、岡山芸術交流2022が閉幕しました。今年の夏頃、このイベントに制作スタッフとして参加の依頼をいただいたのですが、辞退しました。

岡山芸術交流には、第1回の2016年、第2回の2019年と、これまでに2度「パブリックプログラム」の仕事で参加しています。今回もその流れでお誘いいただき、私としてもできれば引き受けたかったのですが、どうしてもこのイベントに関わる気持ちになれなかったのでお断りしました。

理由は、2020年にセクシャル・ハラスメント報道でストライプインターナショナルの社長を辞任した石川康晴氏が総合プロデューサーとして参加していたからです。石川氏は報道をきっかけに内閣府の男女共同参画会議の議員も辞職しています。

朝日新聞は「石川氏が地方視察した際、女性の店舗スタッフを朝にホテルに呼び出し、本人の同意がないままわいせつな行為に及んだ」と報じています(2020年3月4日)。

石川氏は「複数の女性社員に不適切な行為をしたと疑われるやり取りがあった」として、ストライプインターナショナル社の査問会で厳重注意処分を受けています(日本経済新聞2020年3月6日)。

私は2016年の第1回目のときに「岡山芸術交流オルタナティブマップ」を企画・制作(共作)しました。街角の看板や建物など、岡山市街地にあるさまざまなモノを「作品」として鑑賞するという主旨の、街歩きマップ(パンフレット)です。3部作、全90スポットを紹介しています。

岡山でずっと都市鑑賞活動をしてきた者として、自慢できる作品をつくることができたと今でも思っています。

また、2019年の第2回では、オルタナティブマップを発展させる形で「みんなで見つける おかやま街角鑑賞」というイベントを開催しました。多くの方にご参加いただき、交流することができました。有意義なイベントになったと思います。

今回、過去2回にわたって一緒に仕事をしてきた仲間や、お世話になった関係者の方々と別れるのはとてもつらい選択でした(個別の連絡は続けています)。

また、弱小フリーランサーとして生きている自分にとっては、シンプルに仕事を失うという点でも苦しい選択でした。今後のことを考えても、引き受けたほうが得だったかもしれません。

でも人にはそれぞれ、生理的に無理なことがあります。もし辞退しなかったら、自分はこの先ずっと後悔し続けるだろうと思いました。

以上を、ここに記録として書き残しておきます。

私たちの社会では、昔も今も女性という属性は抑圧され、虐げられています。ましてやそこに権力の勾配が加わったとき、個々の女性が圧倒的に不利な立場に置かれることは明白です。

私は男性なので、生まれたときから有利な側(加害側の属性)にいる人間として、自分の環境を当たり前のものとせず、この現実について真摯に考え続けなければならないと思っています。

本件で被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。

2022年12月30日 内海慶一


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2022年12月26日

2022年の活動記録

・『八画文化会館vol.9 商店綜合型録』に装飾テントの鑑賞記事を寄稿しました。装テン(装飾テント)は2016年にも『街角図鑑』に寄稿しています。かれこれ14年ほど装テン鑑賞を続けているので、いいかげんどこかのタイミングで一冊の本にまとめたいなとは思ってるんですが、思ってるだけでなかなか手をつけることができてません・・・
でもこの世の中に装テンの本が存在してないのって、おかしいと思いませんか。私はおかしいと思う。誰かがやらなきゃいけない。

・あとペッ景(ペットボトルのある風景)も10数年にわたって写真を撮ったり起源を調べたりしてるんですが、これは来年には印刷物にしようと思っています。今年はその準備にけっこう時間を使いました。
ペッ景の本にニーズなどないことは分かってるんですが、でもたとえニーズがなくてもつくらなきゃならない、そういうものってあると思うんですよ。人には。ときとして。

・2021年に「棕櫚俳句を鑑賞する」を寄稿したZINE『写真とまんがと文 シュロ2』が増刷されました。めでたい。シュロの本がそんなに売れるなんて、世の中まだまだ捨てたもんじゃないですね。その後も棕櫚俳句の鑑賞は続けているので、いつか続編を書きたいと思っています。

型板ガラスの収集・調査活動は今年で一段落した感じです。ネット上には載ってない新しい発見がたくさんありました。
最近は型板ガラスを使った雑貨づくりをされている方が増えてて、それはそれですてきだなとは思うんですが、やっぱり私は実際に窓ガラスに使われている型板ガラスを見るのが好きなんですよね。だから写真も「窓の佇まい」を含めて撮ってます。




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2021年12月26日

2021年の活動記録

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・「キュンキュン☆コンクリート」ノートブックを制作・販売>>

・『写真とまんがと文 シュロ2』に「棕櫚俳句を鑑賞する」を寄稿>>

・YouTubeチャンネル「都市のラス・メニーナス」に出演>>


〈その他〉
・山陽新聞2021年8月7日の一面コラム「滴一滴」で内海慶一の活動と『ピクトさんの本』が紹介されました
・Eテレにピクトさんが登場しました>>
・『ピクトさんの本』が第15刷になりました>>
・「装飾テント」を寄稿した『街角図鑑』が6刷になりました

タグ:活動記録
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2021年08月22日

「キュンキュン☆コンクリート」ノートブック

2020年に制作した「キュンキュン☆コンクリート」Tシャツに続き「キュンキュン☆コンクリート」ノートブックをつくりました。ロゴ制作はカンザキさん(@ituca_)、デザインは池田美穂さんにお願いしました。

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もともとこのビジュアルはイベントのフライヤーのためにつくっていたものだったのですが、イベントがなくなったので、もったいないからなにか記念品をつくろうと考え、ノートをつくったという次第です。

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値段が高いので(SUZIRIです)関係者以外に購入する方はいないと思いますが、いちおうリンクを張っておきますね。「ぐりん庇」のサムネイルだと、地の色(背景カラー)が白くなってますが、実際は上の写真のようなライトピンクです。

>>キュンキュン☆コンクリート(C棟)

>>キュンキュン☆コンクリート(ぐりん庇)

その他の「キュンキュン☆コンクリート」グッズはこちらです。

>>SUZIRI|キュンキュン☆コンクリート

ちなみに「ぐりん庇」のモデルは天神山文化プラザ(旧岡山県総合文化センター、1962年竣工、設計/前川國男)のコンクリート庇です。

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こういう、モダニズム建築によくある「ぐりんっとカールした庇」のことを「ぐりん庇」と呼んでます。いいよね、ぐりん庇。

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これは倉敷市立美術館(旧倉敷市庁舎、1960年竣工、設計/丹下健三)のぐりん庇。

あ、あとついでに私のC棟コレクションも見てください。コンクリートのCっていうことで。

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2021年06月26日

夢を何人称視点で見ているかという話

夢って何人称視点で見ますか?

僕は常に一人称視点で、ついこの前まで他の人もみんなそうだと思い込んでました。けれどある日、ふと「三人称視点で見る人もいたりして?」と思って、ツイッターで聞いてみたんです。


いた! しかも一人称と三人称の両方で見る人もいるらしい。これ、僕はけっこう衝撃でした。

一人称視点とは、コンピューターゲームで言うところのFPS(ファーストパーソン・シューティング)の視点。キャラクターが見ている視界そのもの。本人視点ですね。

三人称視点はTPS(サードパーソン・シューティング)の視点。自分が操作しているキャラクターの体が見えている視点です。

夢で自分の背中を見ている人がいるのか!

三人称で夢を見ている人は、それが自分にとっての当たり前だから「なにをそんなに驚いてるの?」という感じかもしれませんが、僕は想像したこともなかったんですよ。

誰かと「こんな夢を見た」みたいな話をすることって、人生で何度もあるじゃないですか。でも人称視点のすり合わせなんてすることないもんねえ。

しかし驚くのはまだ早かった。さらに「もしかして?」と思い、こんな質問もしてみたんです。


いないよね……? ぐらいな感じであまり期待せずに聞いたんですが、


いた!


「TMレボリューションになったステージ上の自分」を客席から見ている……!

さらに能町さんの夢がすごかった。


なにこれ!? すぐに状況が想像できなかったよ。

つまり…「私=ドラえもん」で、クルマを運転してて、それは一人称視点で見ていると。で、事故って、その瞬間に視点が移動して、「ドラえもんではない私」として、アパートの窓から、事故ったクルマとドラえもんを見ている。

視点が途中で移ることなんてあるんだ。


「私が事故ってる」……!

ふと思いつきで聞いてみたんですが、思いのほか大勢の人が「一人称以外」で夢を見てたり、「自分以外」の存在になって夢を見ていることが分かって驚きました。

なにに驚いたのかというと、こんなにも身近でありふれた「夢を見る」という体験の中に、自分が今まで気づいていない相違性があったことに、です。







posted by pictist at 10:07| あれこれ