2017年05月24日

滝本晃司ライブ in 岡山 Vol.7 「100の月」

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今年も開催します、滝本晃司ライブ in 岡山。今回は、滝本さんが長年描き続けているイラストカレンダーを会場に展示しますよ。その数なんと150ヶ月分。今回のイベントタイトルを滝本さんのファーストソロアルバムのタイトルに掛けて「100の月」と付けたんですが、ほんとは「150の月」なわけです。

当日はイラストカレンダーのレプリカ販売もおこないます。150ヶ月、どれでも好きな月を選べます。お支払いは当日で、商品は後日、滝本さんからの郵送となります。

そして今回も恒例のスライドトークショー付き。私が聞き手を務めさせていただきます。テーマは「すてきな玄関」。滝本さんが密かに撮り続けている「人んちの玄関」の写真を一緒に鑑賞します。私も撮り溜めている玄関灯の写真を少しお見せしようと思います。

会場は銘木(めいぼく)ビルという3階建てのビルで、岡山市民会館の近くにあります。1階がコーヒースタンド、2Fは美容院(saucer/ソーサー)。ライブ&展示会場は3Fになります(お手洗いは2F)。

滝本晃司ライブ in 岡山 Vol.7
「100の月」
ライブ&スライドトーク&イラストカレンダー展示

日時/2017年6月11日(日)
14:30〜15:30 滝本晃司直筆イラストカレンダー150枚展示※出入自由
15:30〜 受付開始
16:00〜ライブ&スライドトーク
場所/銘木ビル3F(岡山市北区石関町6-10)
アクセス/岡山電気軌道(路面電車)東山本線「城下」停留所より徒歩4分
料金/前売3000円、当日3300円(ドリンク代別※500円)
ご予約/下記メールまでお名前・人数・電話番号をお伝えください。
sintarou2910@gmail.com (主催・福本のメールです)


※フライヤーでは15:00〜になってますが、変更しました。14:30〜15:30の間はどなたでもご自由にお入りください。15:30になったらいったん1Fに降りていただいて、そこで受付スタート&ドリンクお渡しとなります。

岡山城や岡山後楽園のそばなので、ライブ前にゆっくり散策してみてはいかがでしょうか。6月。梅雨です。晴れるといいですが、雨なら雨で、滝本さんの「雨ソング」にしっとり身を浸すことができますね。

【追記】
滝本さんが6月のカレンダーを来場者全員にプレゼントしてくださるそうです!
わーい。
あと今回つくった上記画像のフライヤーを人数分残してますので、どうぞ記念にお持ち帰りください。イラストは知人の池田美穂さんが描いてくださいました。


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2017年03月12日

「都市鑑賞論」イベント記録

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もう1週間経ってしまいましたが。日本ピクトさん学会presents スライドトークイベントvol.4「都市鑑賞論」にご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。東京、大阪、広島、宮城など県外からお越しくださった方もたくさんいてうれしかったです。特に上海から文字通り飛んで来てくれた共通の友人、前川ヤスタカさんに感謝。

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私はこのイベントのために「都市鑑賞年表」を制作。喜田川守貞の『守貞謾稿』、坪井正五郎の『工商技芸看板考』、国木田独歩の「武蔵野」、萩原朔太郎のステレオ写真、坂口安吾の「日本文化私観」などを紹介し、「ソトの目」というキーワードを用いながら、人が新しい視点を獲得するというのはどういうことなのかを考えてみました。

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途中で大山さんが持ち出したのは、鑑賞スタンスについての問題提起というか悩みというか、そんな話題。大山さんの大意を私なりの言葉でまとめると以下のようになります(内海が編集/解釈した言葉です)。

《我々は「グッとくる」という言葉を使ってきた。それは「善悪美醜に関係なく魅入られる感じ」を表現するためだ。自分の「工場萌え」の萌えも、「グッとくる」に近く、「価値判断を含まない自分だけの感覚ですよ」ということを表明している言葉。しかしだんだんそれだけでは満足できなくなってきている。「調査によって得られる知識」でもなく、「表面だけを愛でる萌え」でもない、第3の価値観のようなものがあるのではないか》

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大山さんはこうも言ってます(これも大意です)。
《同じものをずっと撮り続けていると見えてくるものがある。それは本に載っているような知識ではない。10年続けてやっと気づくこともある。今の自分はそれを求めている。これは鑑賞者としての進歩なのかもしれないし、堕落なのかもしれない》

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進歩か堕落か、どちらかは分かりませんが、ただ一つ言えることは、「10年撮り続けてやっと分かることがある」と言えるのは、実際に10年撮り続けた人だけだ、ということ。大山さんはいくつかのジャンルにおいて、現にそういう体験をしてしまった。上記の第3の価値(私が便宜的につくった言い方ですが)というのはこれを指しているのではないでしょうか。実際、大山さんの著作や記事には、長年見続けてきた人からしか出ないであろう言葉がたしかにあります。

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イベント後半では、大山さんがこれまでに鑑賞してきた様々なジャンルをプレゼンしてもらいましたが、共通して言えるのは「文脈や意味を外して対象を見る」というスタンス。これは冒頭の「ソトの目」にも通じる感覚で、イベントではさらに「宇宙人の目」という言葉も出ました。

大山さんは、ゴルフ練習場を、駅の構内にある生け花を、クリスマス電飾を、まるで地球にやって来た宇宙人のような目で不思議そうに見る。大山さんの写真を見た私たち地球人は、自分が日常を「見たつもりになっていた」「知っているつもりになっていた」ことを思い知らされます。それは写真に限らず、マンション広告のコピーや車のカラーの名前など「言葉もの」についても同じ。大山さんは当たり前の日常の中にあるものを「なんだこれは?」と立ち止まって見つめ、しつこく鑑賞し続けます。文脈や意味から切り離して、対象をとことん見続ける。その先に、やっと発見することのできる何かがある。その新しい価値を表す言葉を、まだ私たちは持っていないのかもしれません。

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いろんなところで何度か書いていますが、私の活動のテーマは「見たことあるのに見えてなかった」。これはもともと、かつて大山さんと一緒にやったスライドトークイベントのフライヤー用につくったキャッチコピーでした。13年前のことです。「見たことあるのに見えてなかった」ものを追い求め、そこに興奮してしまう性格は、私に関しては今も変わっていません。私が大山さんの写真や記事に惹かれるのも、「見たことあるのに見えてなかった」といつも思わせてくれるからです。

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「都市鑑賞年表」、今回は大正期までの話で終わってしまったので、その後についてもいつかどこかでお話しできればと思っています。例えば70年代から活動を続けている名古屋の野外活動研究会は、あまり広く知られていませんが、都市鑑賞史を語る上で外せない存在だと私は思っています。代表の岡本信也さんはお会いしてみたい方の一人。

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ところで、イベントの前に希望者10数人で一緒に街歩きをしました。これまでにも何度か経験したことですが、他人と一緒に歩くのはいいものだなあとあらためて思いました。一人でゆっくり歩くのも楽しいのですが、誰かと歩いて「目玉の交換」をするのもまた楽しい。

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同じ道を歩いていても、みんなそれぞれ違う場所で立ち止まって、違う方向にカメラを向けます。「自分たちはみんな違う人間なんだ」ということが目の前ではっきり分かる。ここには一種の断絶があるわけです。でも、街を見るのが楽しいという、その一点でつながって同じ道を歩いてる。私はそれを思うと、なんだかうれしくなるのです。

タグ:都市鑑賞
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2017年01月30日

イベント:「都市鑑賞論」大山顕×内海慶一

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vol.1「公園にはすべり台を見に来た」
vol.2「『街角図鑑』出版記念イベント」
vol.3「路上観察レジェンドDay」
と開催してきたスライドトークイベントの第4弾が決まりました。

今回のゲストは私と同い年の友人、フォトグラファー&ライターの大山顕さん。『工場萌え』や『団地の見究』などの著書で知られています。

第4弾のタイトルは「都市鑑賞論」。

今回は写真のプレゼンだけでなく、“街を見る”という行為そのものについて2人が考えてきたことを話し合ってみようと思っています。

これまでに大山さんが発表してきた様々な「鑑賞ジャンル」を見せてもらいながら、同時に、大正の考現学から現在のSNSの写真シェア文化にいたる「都市鑑賞ヒストリー」を振り返りつつ、「私たちはなぜ、ある種の『景観』に惹かれてしまうのか」を考えてみたいと思います。



日本ピクトさん学会presents
スライドトークイベントvol.4
「都市鑑賞論」

【出演】
大山顕/フォトグラファー、ライター。著書『工場萌え』『団地の見究』『高架下建築』『ジャンクション』『共食いキャラの本』、他。「デイリーポータルZ」のライターとして10年以上にわたり活躍中。 Twitter: @sohsai
内海慶一/日本ピクトさん学会会長。主に文筆業。著書『ピクトさんの本』『100均フリーダム』 寄稿『街角図鑑』『路上と観察をめぐる表現史ー考現学の現在ー』 Twitter: @pictist

【日時】
2017年3月4日(土) 19:00〜21:00(開場18:30)

【会場】
KAMP(岡山市北区奉還町3-1-35)

【料金】
2500円(1ドリンク付き)

【予約】
下記メールアドレス宛てに、お名前と予約人数、電話番号をお送りください。
picto@mx35.tiki.ne.jp (内海慶一)
*3日以内に返信いたします。




追記:当日15:30〜17:00に街歩きをします。
参加希望の方は15:30までにKAMP前に集合してください。
ルートは厳密に考えてませんが、
二十四ヶ坪地下道 http://pictist.exblog.jp/27019747/
を通って戻ってこようと思ってます。
みんなで一緒に歩くだけです。

会場のKAMPはイベントが始まる1時間くらい前までは
普通にカフェ営業をしています。
早めに会場に着く方は中で食事やお茶をしながら
過ごしていただくこともできます。
また、近くに「ドットカフェ」「オンサヤ」という
カフェもあるので(検索してね)どうぞご利用ください。

ツイッターのハッシュタグ #都市鑑賞論

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タグ:都市鑑賞
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2016年12月12日

何も問いかけない写真/中塚浩

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2016年12月3日、野村泰介さんが開催した「中塚浩が遺した昭和の写真 〜戦前・戦後の東京の日常〜」というスライドトークイベントに出演した。イベントの前後に考えたことをまとめておく。

野村さんが管理する中塚浩の写真ブログ
SUISHI'S PHOTO

suishi(すいし)こと中塚浩(1916-1997)は1940年代から半世紀以上にわたって日常の写真を撮り続けた。街並み、人々、店舗、乗り物、部屋の中……。しかし中塚は生前、その膨大な写真を他人に見せたことはなかった。家族を撮った写真でさえ、写っている当人に見せることはほとんどなかった。中塚の写真が「人に見せるための写真」ではなかったことは強調しておきたいポイントだ。

携帯電話・スマホに撮影機能が付いている現在、写真の持つ意味は昔と比べて少しずつ変化してきている。今なら、メモがわりにスマホで何かを撮るということはあるだろう。また、なんとなく目の前の景色が気になったから撮ったということもあるかもしれない。しかしフィルム時代においては、なかなかそのような撮り方はできなかった。

市井の人々は多くの場合、誰かと思い出を共有するために写真を撮った。だからアルバムに写真を貼った。中塚は自分の写真をそのようには扱わなかった。人に見せる必要がないので、ほとんどの写真は袋に入れっぱなしで、アルバムに貼られていない。

もちろん、「自分自身が後で見返して懐かしむために写真を撮る」ということは、私たちにもあった。それは特別な日や特別な場所を思い出に残すためだ。あるいは好きなモノ・好きな場所・好きな人の姿を手元に置きたいという欲望によってシャッターが切られた。

中塚の写真からは、そのような分かりやすい欲望は感じられない。とにかくなんでも撮っている。まるで見るものすべてを写真に残そうとしているかのようだ。

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中塚写真の名作の一つ、銀行の窓口(1964年)

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胃潰瘍で入院した際に撮った写真。病院の廊下の掲示板(1964年)

中塚はすべての写真に撮影場所と日付けを記しているが、はたして後年、それを見返していたのだろうか。どうもそのようには感じられない。段ボール箱に詰め込まれた膨大な写真袋を何度も出し入れしていたとも思えない。撮影し、記録し、保管した時点で本人の中では完結していたのではないだろうか。

また、中塚の写真はいわゆる「記録写真」とも違う。記録写真もやはり、あとで見返すために撮られるものだ。さらに言えば、あとで役に立つだろうという想定のもとに撮られる(社会的に、あるいは作品として)。しかし中塚は、自分の写真をのちのち何かに役立てようとはまったく考えていない。発表するつもりがないのだから。

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自宅でなぜかミシンを撮る(1965年)

もう一つ。中塚は、「写真趣味者」「写真好き」ではなかった。写真を趣味にしている人の多くは、自己表現として写真を撮る。コンテストに応募する人もいる。大きく引き伸ばしてどこかに展示することもある。そして撮影技術を磨こうとする。

しかし中塚の写真からは「表現臭」が一切感じられない。50年間、撮影技術はほとんど向上していない。うまく撮ろうとしていない。ご家族も、中塚が写真雑誌や写真集を見ていたという記憶はないと証言している。

中塚浩の写真は淡々としている。だからこそ凄みがある。

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なんでもない歩道(港区虎ノ門/1964年)

中塚の写真はしばしば「shoot1230」を想起させる。「shoot1230」とは、2010年に大山顕がツイッターで呼びかけ、現在も続いている実験的な写真遊びだ。毎日12時30分になったらどこで何をしていても強制的に写真を撮り、それをツイートするというもの。「shoot1230」は撮影者から「意図」や「欲望」を剥ぎ取る。参加者は「わざわざ写真に撮ったことのない何か」を、構図を練る間もなく撮らされてしまう。

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岡電バス車内。晩年もこのような写真を撮り続けていた(1994年)

中塚は50年以上にわたって撮りためた写真を保管していたが、かといってそれを子や孫に託そうとしたりしていない。「後世の人に見てもらいたい」とも思っていない。ご家族は中塚の写真の存在を知らなかったので、彼の死後、写真の入った段ボール箱はあやうく廃棄されるところだったそうだ。孫の野村泰介さんがたまたま「発見」し、救出したことで日の目を見た。

今回のイベントのタイトルを野村さんと相談して「中塚浩が遺した昭和の写真」と付けたが、実際は「遺した」のではなく、たまたま「遺った」のだ。撮影者の人生とともに消えていたはずの写真を、私たちは偶然目撃したに過ぎない。

中塚浩の写真は、何も問いかけない。何も問いかけてこない写真を見て、私はさまざまなことを考えてしまう。


【追記】
上の文章を書いてだいぶ経ってから、ふと思い到った。そうだ、彼は「ログ」をとりたかったのだ、と。私は当初「まるで見るものすべてを写真に残そうとしているかのようだ」と感じたが、彼は「残す」ではなく、「ログをとる」という欲望によってシャッターを切っていたのではないだろうか。前者と後者はいっけん同じもののように感じるが、実は別種の心理なのだろうと思う。


【追記2/2022年4月13日】
上記からさらに数年が経過しました。今日、『美術手帖』2022年4月号に掲載されている原田裕規さんのインタビューを読んでたんですが、本エントリを考える上でヒントになりそうなくだりがあったので、引用します。

《写真を撮るという行為は、必ず訪れる死への抗いのような感情と結びついている気がします。ただ、その抗いはつねに失敗することが確定している。でも、そんな経緯で物質化した写真が「残ってしまっている」という現実そのものが、抗いの失敗の失敗でもあると思うのです。》


タグ:都市鑑賞
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2016年10月14日

「路上観察レジェンドDay」ありがとうございました

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「路上観察レジェンドDay」にご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。仙台、名古屋、大阪からお越しいただいた方もいてびっくり。

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徳山雅記さんはかつて採集していた「自転車の風切り(かざきり)」コレクションを披露。

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それと、1980年代の上海で撮影した「自転車の子供用椅子」コレクションも紹介していただきました。

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これがめちゃくちゃ面白くて。ここで発表するだけじゃもったいないと思いました。歴史的な資料価値もあるし。もちろん現在の中国ではもう見ることはできません。「80年代を過ごした中国の方が見ると懐かしいでしょうね」と徳山さんがおっしゃってました。ほんと、見せてあげたいですよね。「まさに自分はこんな椅子に乗っていた」という人もいるでしょう。

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そして赤瀬川さんとの思い出の写真とともに、当時の様々なエピソードを語っていただきました。上の写真は『サンデー毎日』1987年11.29号に掲載された、路上観察学会の上海遠征時の様子。この遠征には徳山さんも同行しており、写真の横断幕の制作を手伝ったりもしたそうです。

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徳山さん

さらに透かしブロックの写真作品で知られる写真家・広瀬勉さんが学生時代に発表した伝説の作品、「徳山君の部屋」の写真も多数ご紹介いただきました。「徳山君の部屋」とは何か? については>>こちらを。

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「徳山君の部屋」を訪れたアマチュア時代の「たま」のメンバーの写真も見られたのでうれしかったです。「知久さんの服がすでにあのお馴染みのやつだ!」とか言いながら盛り上がりました。

徳山さんは赤瀬川さんの教えを受け、しかも当時からたまのメンバーとも交流があるという、僕にとっては「自分の好きな人たちとどんだけつながってるんだよ」っていう存在で。聞く話がぜんぶ面白い。「脳内リゾート開発事業団」設立までのいきさつも興味深かったです。

そして、あの赤瀬川原平作品「大日本零円札」の実物を持ってきてくださいました!

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どどん!
これが、零円札(本物)…!
「最初は300円で交換してたけど、のちにレートが変動して500円になった」とのこと。千円札裁判で有罪が確定したあとに赤瀬川さんがつくった作品です。

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大日本零円札(本物)を手に取って喜ぶ私たち。でかい。

後半は「おかやま路上観察学会」主宰の河原馨さんが登壇。30年間にわたって撮ってきた路上観察写真を見せていただきました。

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河原さん

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河原さんは赤瀬川さんと同い年なんですが、赤瀬川さんや藤森さんを「家元」と敬い、長年、岡山で路上観察活動を続けてこられました。現在も年に2回、写真展示による発表を行っています。

河原さんがおかやま路上観察学会をつくったのは1986年。つまり本家の路上観察学会と同じ年。本家を見てわずか2ヶ月後につくったそうです。翌87年には赤瀬川さん・藤森さんを倉敷市に招いて路上観察学シンポジウムを開催しています。

スライドでは30年分の写真の中からほんの一部を紹介させていただいたのですが、岡山で撮った写真が多いので、物件そのものの面白さとは別に「知っている街の昔の姿が写っていること」の面白さもありました。

いちばん盛り上がったのがこれ。巨大純粋階段のような物体。

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岡山市在住の方なら下石井公園をご存じかと思います。幸町図書館のある、西川沿いの。この写真は1991年の下石井公園の様子。

幸町図書館のすぐ前に「登って降りるだけ」みたいな小高いコンクリートの山がありますよね。階段とスロープがあって。あれが、この写真の場所なんです。

「単に工事が始まる前の状態っていうだけでしょ?」と思うでしょう。ところが河原さんの口から語られたのは、驚きのエピソードでした。たしかにこの純粋階段は、現在ある、あのコンクリートの憩いの山の部材です。でも、そう単純な話ではなかったんです。

・・・とここまで書いておいてすみません、わりとややこしい話なので、そのエピソードについては割愛します。

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ぼそぼそしゃべる司会

今回のイベント、たぶん私がいちばん楽しかったんじゃないかと思ってます。お二人のお話をじっくり伺えた上にコレクションも見せていただけて、零円札にもさわれて、最高でした。

主催者がこんなことを言うと不思議に思われるかもしれませんが、私はイベントとかに登壇するのが苦手で、ましてや司会進行なんてできれば自分ではやりたくないんです。客席で見たい。でも東京で開催されているような自分好みのイベントを岡山でやってくれる人がいない。だから自分でやるしかないと思ってやっています。

数は少ないかもしれないけど、地元に自分と似たタイプの人がいたとしたら絶対喜んでくれるだろうと思ったので、このスライドトークイベントを始めました。「滝本晃司さんのすべり台トークが岡山で見られるの!? やったー!」って。「街角図鑑の執筆者が岡山に来るんだ、デイリーのライターさんも来る、絶対行こう!」って。もし自分がお客さんだったらそう思うであろう、最高にうれしいイベントをやってるんです。仕方なく。

だからなんていうか、もう一人の自分に向けてやっているような、そんな気持ちです。客席で見たい。まじで。誰か司会やって。


ちなみに徳山さんは東京では見られない鉄管スロープをたくさん撮って帰られたようです。徳山さん、河原さん、どうもありがとうございました。


タグ:都市鑑賞
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2016年09月17日

「路上観察レジェンドDay」開催

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滝本晃司さんを迎えてすべり台を鑑賞した第1回、『街角図鑑』出版記念イベントとして開催した第2回に続く、スライドトークLIVE第3弾の開催が決まりました。

路上観察歴30年以上の河原馨氏、かつて赤瀬川原平と共に「脳内リゾート開発事業団」を設立した徳山雅記氏のお二人をゲストに迎え、路上観察の過去と現在を語ります。もちろん、これまでに撮りためた路上物件も多数紹介。

赤瀬川さんの思い出やお二人が熱中した観察ジャンルなど、様々な角度からお話を伺いながらスライドを鑑賞していきます。路上観察の先輩方のお話が直接聞けることを、企画者の私自身がなにより楽しみにしています。うあー、客席に座りたい!

【追記】
なんと、徳山さんが「零円札」を持ってきてくださいます。そう、赤瀬川原平がつくった、あの「本物の零円札」です。伝説の作品を間近で見てください。

ーー

日本ピクトさん学会 presents スライドトークLIVE vol.3
「路上観察レジェンドDay」

【出演】
河原馨(かわはら・かおる)/「おかやま路上観察学会」主宰
1937年、岡山生まれ。サイカイコンサルタント勤務、一級建築士。1986年に赤瀬川原平らが設立した「路上観察学会」に触発され、同年「おかやま路上観察学会」を設立。以来30年間、休むことなく物件収集と写真展の開催を続けている。著書に『裏美考』、『岡山の路上観察』(共著)、『岡山の看板』、『岡山ぶらり散策』、『岡山ハイカラ建築の旅』、『岡山おもしろウオッチング』(共著)、『岡山の木造校舎』、『岡山の考現学』(共著)、他。

徳山雅記(とくやま・まさき)/小学館「ドラえもんルーム」編集長
1966年、岡山県笠岡市生まれ。1986年、美学校の赤瀬川原平考現学研究室に中途入室。1987年、「路上観察学会」上海遠征に参加。1990年、小学館に入社。立体写真(ステレオ写真)に熱中し、1991年に赤瀬川原平ら数名と「ステレオオタク学会」設立。1992年6月、同メンバーと「脳内リゾート開発事業団」を設立。トマソンの他に自転車の「風切り」などを撮影収集している。

【企画・進行】
内海慶一(うつみ・けいいち)/日本ピクトさん学会会長

【日時】
2016年10月9日(日)14:00〜16:00(13:30開場)

【会場】
KAMP(岡山市北区奉還町3-1-35)

【料金】
1000円(1ドリンク付き)

【予約】
下記メールアドレス宛てに、お名前と予約人数、電話番号をお送りください。
picto@mx35.tiki.ne.jp (内海慶一)
*3日以内に返信いたします。


タグ:都市鑑賞
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2016年06月14日

『街角図鑑』出版記念スライドトークLIVEの記録

2016年6月11日の『街角図鑑』出版記念スライドトークLIVE、無事終了いたしました。ご来場いただいた37名のみなさま、ありがとうございました。東京、大阪、宮城、愛知、広島、鳥取と、県外から足を運んでくださった方も多く、うれしかったです。

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事前に「書籍の内容とは少し違うプレゼンをしますよ」と告知していましたが、三土さんは「街角博士になるための学習プログラムをつくってみた」話と、「人口知能は写真を見て街角物件を当てられるのか実験してみた」話をプレゼン。さすがプログラマーです。

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三土たつおさん

キムチさんは「語られなかった、もうひとつの送水口」と題して、書籍未収録の送水口ネタを披露。だったんですが、自己紹介がわりに最初に見せてくれた「他の収集ジャンル」の話が面白くて、そっちの話もかなり盛り上がりました。「犬の置物につけられているリード」とか、「事故注意看板の血しぶき」とか、目線がいちいち独特で、かつ狭い! その狭さが面白い。

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キムチさんが着ているのはゴールド送水口T

アシモフこと伊藤健史さんは、「擬木史」と「ダイイングメッセージ」をプレゼン。擬木史とは、文字通り擬木の歴史のこと。それはいいけど、ダイイングメッセージってなんだ。

ダイイングメッセージとは、街で見かけるペンキなどで描かれた手書き文字。それが滲んでたり垂れてたりして、意図せぬおどろおどろしさが出てしまっているものがありますよね。これを「死に際に自分の血で描いたダイイングメッセージなのではないか」と見立てて鑑賞してみようという、決して街角図鑑には掲載されないジャンルです。いやー、笑った笑った。

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ふぁんしーTを着用して擬木史を熱く語る伊藤さん。

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僕はピクトさんTで臨みました。

終演後の懇親会も楽しかったです。以前よりネット上でご活躍を拝見していた「エアコン配管」鑑賞家のNEKOPLA斎藤さんにお会いできたのもうれしかった。それから「とまれマーク」収集家の実繁さん、「ダンメン」の吉永さん、「おかやま街歩きノオト」の福田さんなどなど、客席にいた人だけであと3回くらいイベントができるんじゃないかというほどの豪華メンバーが集結していました。

会場で流していたのは、テクノポップユニット三鷹の曲。メンバーのタカハシさんも東京から駆けつけてくださいました。

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ところで、出演メンバーでイベント前に街歩きしたのですが、ここで思わぬ収穫がありました。

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これ。東京から来たみんながやたらと写真を撮ってるので「なんで?」と思ったら、こういう単管パイプを溶接してつくった段差スロープは東京では見かけないらしいんです。

「そうなのか!」とびっくり。岡山では普通ですよね。どのあたりのエリアまで広まってるのか、調べてみたい。岡山だけなのか、中国地方ぐらいまではあるのか、はたまた西日本なのか。

そして誰が最初にやり始めたんだろう。一つ一つ現場に合わせてカスタマイズされているようなので、一点モノとしての味わいもあります。今までちゃんと見てなかったなあ。

で、これなんて呼ぼうかな。「鉄管スロープ」なんてどうでしょう。



実業之日本社のサイトにもイベントレポートが掲載されました。
『街角図鑑』イベントレポート

■追記:ツイッターで鉄管スロープのことを書いたところ、かなり盛り上がりました。各地方にお住まいの方から「見たことない」という声が続々と。どうやら岡山県と広島県にしか存在しないようです。いったい、いつごろ、誰が始めたんでしょうね。引き続き調査していきたいと思います。

Togetter:鉄管スロープ



日本ピクトさん学会 presents 文化系スライドトークイベント、
第3弾も開催する予定です。
詳細が決まりましたらまたこちらでお知らせします。


【追記】後日、鉄管スロープの写真集サイトをつくりました。
>>鉄管スロープ




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