2021年12月18日

ピクトさん鑑賞20年

IMG_5283.jpg

ウェブサイト「日本ピクトさん学会」に先日書いた文章を以下に転載します。ピクトさんの鑑賞を始めて20年ということでなんとなく書き始めた文章がけっこう長くなったので、こちらのブログにも残しておきます。



私が「ピクトさん」という切り口で人物型ピクトグラムを鑑賞しよう、と思い立ったのは2001年のことでした。今年でちょうど20年経つことになります。

20年続けても、まだ飽きない。時代の移り変わりの中で新たなピクトさんが登場するし、同じジャンルのピクトさんにもいろんなバリエーションがあるから。そしてなにより、「ピクトさん」はイマジネーションが支えているものだからです。

日本ピクトさん学会会長の私がこんなことを言うのもなんですが、「ピクトさん」という人間は、実際には存在しませんよね。「ピクトさん」というのは一種の見立てです。「この記号がもし本当に人間だったら」と想像を広げる行為です。

そのイマジネーションを他者と共有しながらおこなう鑑賞活動が「ピクトさん」です。私が飽きずに今までやってきたのは、そのことが大きなモチベーションになっているからだと思います。自分が生み出したイマジネーションを中断したくないという心理があったような気がします。

『ピクトさんの本』刊行の3年後に、『100均フリーダム』という本を出版しました。一見、まったく違うジャンルの本のように見えると思いますが、私の中ではほとんど同じことをしたつもりです。

『100均フリーダム』は、100円ショップで売られているいいかげんな商品たちを「作品として褒め称える」というコンセプトで書いた本です。「100均作家」なんて実際にはいないし、100均グッズに一般的な意味でのクリエイティビティと呼べるようなものはほとんどありません。

でも「フリーダム」という価値観を導入することによって、がらくたのような100均グッズが突然、輝き出す(ような気がする)。誰かにそのイマジネーションが伝わることは、私にとって大きな喜びでした。

残念ながら100円ショップはここ10年で洗練され、今はもう『100均フリーダム』に掲載しているような商品はほとんど売られていませんが、「共有したイマジネーション」は読者のみなさんの中に残り続けてるんじゃないかと思います。

『ピクトさんの本』を出版したときも『100均フリーダム』を出版したときも、インタビューなどで「コレクターなんですね」と言われることがときどきありました。

私はそのたびに、「いや、コレクターとはちょっと違うんですよね」と言いつつ、短い時間で自分がやっていることを説明するのに苦労していました。

収集をしなければ始まらないので、その意味ではコレクターなんですが、「収集欲を満たすこと」が最終目的ではない。

私はそれらを、イマジネーションを駆使して読み替えることが楽しかった。いわば「現実の二次創作」のようなおこないです。ピクトさんと100均フリーダムはその点で共通しています。

わわ。ふと「20年かー」と思って書き始めたらこんなに長くなってしまいました。

私は今は「都市鑑賞者」と称してピクトさん以外にもさまざまなジャンルのものを鑑賞していますが、すべてを同じ動機(欲望と言ってもいい)で鑑賞しているわけではありません。それこそシンプルなコレクション欲だけで撮っているジャンルもあります。

そんな中で、「ピクトさん」や「100均フリーダム」と近い系統に入るのが「台の鑑賞」というジャンルです。ツイッターに #台の鑑賞 というハッシュタグをつくってときどき投稿しています。

同じ人間の中でも、ジャンルごとに鑑賞動機が少しずつ違うってことあるよね、という話についても、いつかきちんとまとめて書いておきたいと思っています。




posted by pictist at 23:40| ピクトさん

2021年08月01日

『ピクトさんの本』15刷が決定

pictosan_POP3.jpg

久しぶりに『ピクトさんの本』の増刷が決まりました。第15刷となります。新世代のピクティストも増えますように。

pictosan_syoei.jpg

全国の書店で、これまでに何度も
「ピクトさんフェア」を展開していただいてます。
(本とグッズの同時販売や、特製しおりのプレゼントなど)

ピクトさんフェア1.jpg

ピクトさんフェア2.jpg

紀伊國屋書店が発表しているおすすめ書籍ランキング
「キノベス2007」では第10位にランクインしました。

キノベス2007.jpg




タグ:ピクトさん
posted by pictist at 04:30| ピクトさん

2021年07月24日

ピクトさんグッズ

日本ピクトさん学会がプロデュースした【ピクトさんグッズ】はこちらのオンラインショップから注文できます。
ピクトさんグッズ Online Store

・ピクトさんマスキングテープ(mt/カモ井加工紙)
・ピクトさん手ぬぐい(手ぬぐい専門店かまわぬ)
・ピクトさんトートバッグ
・ピクトさんランチバッグ
・ピクトさん缶バッジ
・ピクトさんポストカード
・ピクトさんシール
・ピクトさんクリアファイル
・ピクトさん磁器マグネット
・ピクトさん磁器マグカップ
・本革ピクトさんペンケース(一本差し)

岡山県立美術館ミュージアムショップ、軽井沢現代美術館ミュージアムショップでもお取り扱いいただいてます。

このピクトさんは「理想の転倒系」を求めて私が2009年に制作したものです。街で収集した先人の作をもとに、自分なりの改変を加えてつくりました。くったくのないバンザイと、ダイナミックな開脚がポイントです。

IMG_2486.jpg

IMG_5766b.jpg

IMG_4791_sq.jpg

IMG_4086.jpg

IMG_2810_1200.jpg

IMG_2690_1200.jpg

IMG_6414.jpg

IMG_8629.jpg




タグ:ピクトさん
posted by pictist at 18:56| ピクトさん

2021年06月21日

Eテレにピクトさんが登場

コレナンデ商会_ピクトさん2.png

Eテレの「コレナンデ商会」という番組にピクトさんが登場しました。「避難口誘導灯 ドッチ?コッチ?」というタイトルの放送回です。

コレナンデ商会_ピクトさん.png
ナレーション:「避難口誘導灯。ちなみに、ここに描かれたマークのような絵文字や記号をピクトグラムと言います。ピクトグラムなので、この人物は「ピクトさん」と呼ばれています」

NHKの番組で「ピクトさんと呼ばれています」と当たり前のように紹介されているのを見ると、感慨深いです。





タグ:ピクトさん
posted by pictist at 00:59| ピクトさん

2020年09月05日

転倒系ピクトさんのデータを無償で提供します

転倒系ピクトさん_日本ピクトさん学会.jpg

ピクトさんグッズのデザインにも採用している上掲の転倒系ピクトさんは、私が「理想の転倒系」を求めて2009年に制作したものです。街で収集した先人の作を元に、自分なりの改変を加えてつくりました。

この転倒系ピクトさんのベクターデータを、無償で提供します。ただし、実際にピクトグラムとして使用する場合に限ります。個人の方でもOKです。サイン・看板メーカーの方であれば製品に使っていただいても構いません。

使用を希望される方は下記メール宛てにご連絡ください。
picto@mx35.tiki.ne.jp (内海慶一)

私が把握している範囲で2件、この転倒系ピクトさんが実際にピクトグラムとして使用されている場所があります。おそらく日本ピクトさん学会のサイト画面からトレースしてつくってくださったのでしょう。それらについて使用願いのご連絡はいただいてませんが、問題ありませんので引き続きご使用ください。

そしてわざわざトレースしなくてもベクターデータを提供しますので、今後はぜひご連絡の上、公式データをご使用いただけるとうれしいです。

また、このピクトさんは転倒系としてつくったものですが、下記のようにすれば落下系としても使えると思います。

転倒系ピクトさん_使用例.jpg

まわりの三角形や文字は私が例として合わせたものなので、ここは改変してくださって構いません。ピクトさんそのものの形は、変形させずにご使用ください。

この転倒系ピクトさんは、両手挙げ(バンザイ)であることとダイナミックな開脚の角度が特徴です。このピクトさんを、一つでも多くの場所で、実際にピクトグラムとして活躍させてあげたいと願っています。

>>日本ピクトさん学会

日本ピクトさん学会公式グッズはこちらからご購入いただけます。
mon.cifaka_ピクトさん
その他、岡山県立美術館ミュージアムショップ、軽井沢現代美術館ミュージアムショップなど。


タグ:ピクトさん
posted by pictist at 02:04| ピクトさん

2019年06月16日

ピクトさんTシャツ2019

毎年恒例、ピクトさんTシャツの受注生産がスタートしました。今季はガーネットレッドとスモークブラックを加えた全27色。〆切りは2019年6月23日です。

pictosanT2019.jpg

この夏もみなさん、ピクトさんと共にあらんことを。

ご注文はこちらから→ http://mon.cifaka.jp/?pid=143495843


タグ:ピクトさん
posted by pictist at 23:23| ピクトさん

2019年03月04日

富山県美術館にピクトさんグッズ登場

富山県美術館チラシ.png

2019年3月9日から富山県美術館で「わたしはどこにいる? 道標(サイン)をめぐるアートとデザイン」という企画展がスタートします。期間中に、同館ミュージアムショップでピクトさんグッズと拙著『ピクトさんの本』が販売されます。

現代美術作家とグラフィックデザイナーと警備員(佐藤修悦さん)の作品が入り交じる、たいへん興味深い展示になっている模様。行きたいなあ…富山…

販売するピクトさんグッズは下記10アイテムです。
・ピクトさんマスキングテープ(mt/カモ井加工紙)
・ピクトさん手ぬぐい(かまわぬ)
・ピクトさんスケッチブック(maruman)
・ピクトさんトートバッグ
・ピクトさんランチバッグ
・ピクトさん缶バッジ
・ピクトさんポストカード
・ピクトさんシール
・ピクトさんクリアファイル
・ピクトさん磁器マグネット
・ピクトさん磁器ボタンカバー
・ピクトさん磁器マグカップ

富山県美術館
「わたしはどこにいる? 道標(サイン)をめぐるアートとデザイン」
2019年3月9日(土)〜5月19日(日)



posted by pictist at 10:34| ピクトさん