2019年01月20日

ため池に高架橋脚

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助手席から見えた高架橋脚の群れがかっこよかったので、「お」と声を出した。運転者が「停めましょうか?」と聞いてくれた。僕の好奇心をよく分かってくれている。

取材仕事の帰り道だった。インターチェンジから降りてすぐ。町からけっこう離れている。僕はクルマを運転しないので、自分ひとりで来ることはまずない場所だ。そしてこの道をふたたび通る可能性は低い。

高架橋脚は、ため池から突きだしていた。風はなく、水面がピンと張っている。暗闇の中でカメラを握った。頭上をひっきりなしにクルマが通っているのに、なぜか、とても静かだった。


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2019年01月18日

山王市場通商店街の素敵なカーブ

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大阪市西成区、天王寺動物園の近くに山王市場通商店街という商店街がありまして。この場所の写真を知人がインスタグラムにアップしているのを見て以来、ずっと行きたいと思ってたんですが、このたびやっと念願が叶いました(2018年12月)。

私は昔から「ちょっと曲がった道」が好きで、いい感じのちょっと曲がった道を歩くとドキドキしてしまう体質なのですが、この山王市場通商店街のカーブはかなり理想的で、写真で見た瞬間から「ここは絶対に歩きたい!」と思い続けていたのです。

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軽いS字カーブというか。なぜこのカーブにこんなに魅力を感じるのか自分でも分からないけど、ここに立った瞬間、「歩くのがもったいなくて歩きたくない」という矛盾した感情が湧いてくるほど興奮しました。

上掲の反対側から撮った写真がこちら。

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陶然としながら3往復くらいした。

それからもう一つうれしかったのは、この山王市場通商店街が「横丁アーケード」だったこと。本アーケードの途中に、それより少し狭い幅の横道があって、そこもまたアーケードになっているっていうパターンありますよね。あれにも私はなぜかグッとくるのです(厳密に言うと「横丁分岐アーケード」か)。

ちなみにこの広いほうのアーケードは「動物園前商店街」です。

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「一瞬よぎる迷路感」が好きなのかな。

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※エッセイを寄稿した雑誌『生活考察』Vol.6の発刊記念トークイベント「円城塔 x 福永信 x 辻本力トーク」が心斎橋で開催されたので、それを見に行くのが今回の大阪行きの主な目的でした。




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2018年12月04日

夢のマッチラベル

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ここは中外燐寸社(ちゅうがいまっちしゃ)が経営する駐車場、中外パーキング(岡山市北区錦町)。その囲いに、同社が販売しているマッチのラベル絵が描かれている。

中外燐寸社の創業は明治23年。現存する国内のマッチ製造メーカーの中では最古の会社だ。

トレードマークの「太鼓獅子」は、創業者の妻が夢で見たイメージを図案化したものだという。なにか由緒のあるマークなのかと思っていたら、夢だったとは。つまりこの絵にはまったく意味がないのだ。

企業のロゴマークにも商品デザインにも意味や理屈が込められる現代社会の中で、この無意味さが、なんだか清々しい。


実際のマッチラベルはこちらをご覧ください。
「太鼓獅子マッチの歴史」
http://www.chugai-match.co.jp/taikoshishi.html





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2018年11月26日

喜多村病院(大正11年開業)を見学したよ

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岡山市北区野田屋町に喜多村病院という医院があります。地元の方なら「小便小僧があるところ」と言えばピンとくるかもしれません。大正11年(1922年)に喜多村練三氏がこの場所に開業。90年以上の歴史を持つ医院です。この小便小僧も開業時から立っているもの。

喜多村病院は、岡山で最初に「小児科」を掲げた医院なのだそうです。それで小便小僧があるんですね。小児科のサインとしてつくったのでしょう。現在は小児科ではなくお年寄りの入院介護・治療が主になっているようです。

建物は昭和20年の岡山大空襲で焼けてしまいましたが、小便小僧は難を逃れ、今も玄関先に立ち続けています。また、確認はできなかったのですが、煉瓦造りの台座部分もおそらく空襲を免れたものなのではないでしょうか。

戦後に建て直したとはいえ、すでに築70年以上経つレトロ病棟。貴重です。中を見てみたいなーと思っていたところ、このたび喜多村病院さんのご厚意で院内を見学させていただくことができました。

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左側に少し見えているのが新館。小便小僧のあるほうが旧館。現役です。

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受付前のガラス窓には手書き文字が。職人技です。

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処置室

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検査室

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階段を登ると……

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1階と2階の間の踊り場が休憩場所になってるんです。佇まいがかわいい。

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踊り場

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真鍮の手すりがいい感じの経年光沢を帯びています(今つくった造語です。経年光沢)。

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暗室。昔はここでレントゲン写真を現像してたんですね。

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暗室の入口。小窓がついてます。

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ここは2階。右下に見えているのが先ほどの暗室。そしてこの階段の上にあるのはトイレなのです。半階上がるようになっているという。ちょっと珍しい構造ですよね。1階にあるトイレは逆に、地下へ半階下がる構造でつくられていました。

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清浄室=W.C

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號。院内のいたるところに旧字が残っています。

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木窓もだんだん少なくなってますね。

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配管をむき出していくスタイル。

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喜多村病院さん、見学のお願いを快く受けてくださり、どうもありがとうございました。

考えたらあと3年ほどで開業100周年ですね。つまり小便小僧も100歳になるわけです。小僧なのに100歳。100歳なのに小僧。お祝いしましょう、2022年に。




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2018年04月06日

岡山禁酒会館

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岡山禁酒会館は大正12年(1923年)に竣工した木造3階建ての建物。禁酒運動の拠点としてつくられ、また飲食事業もおこなっていた。建物は2018年現在も現役で使用されており、1階はカフェ、2階〜3階は貸事務所やイベントスペースとして利用されている。

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岡山市の中心部にありながら岡山大空襲による焼失を免れた数少ない建物だ。外観の意匠も見どころだが、館内の階段や廊下、窓、ドアなどの内装も鑑賞ポイント。2階には小さな資料室があり、当時使われていたロゴ入りのカップやソーサー、オリジナルサイダーの壜なども展示されている。登録有形文化財。

(岡山市北区丸の内1-1-15)

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2018年03月31日

送水口博物館に行ってきたよ

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【送水口ファンと送水口メーカーの出会い】

2月に新橋の送水口博物館(ソーハク)を訪れた話です。

ここは消火設備の総合メーカー「村上製作所」の社長が、自社ビルの屋上につくった小さなスペース。2015年の開館時からぜひとも訪れたかった場所だったのですが、このたびの東京滞在でついに初訪問が叶いました。

なぜ、ぜひとも訪れたかったのかというと、直接的な理由としては友人の送水口ファン、キムチさんが関わっている場所だから(そして僕も遠い遠い関わりがあるから)なんだけど、なにより、伝え聞いている「送水口博物館ができた理由」が胸を打つものだったから。

ものすごく約めて言うと、送水口博物館は、村上製作所の村上社長が送水口ファンと出会ったことによって誕生したスペースなのです。

どういうことか。それにはまず、AYAさんという送水口ファンの紹介から始めなくてはなりません。僕がAYAさんの存在を知ったのは2012年、ツイッターでした。プロフィールをたどると、ずいぶん昔から送水口のウェブサイトを運営なさっているらしい。

「こんな人がいたとは!」と興奮して、すぐキムチさんに教えました。「仲間がいたよ、よかったねー」という気持ちで。(ただ、僕はこのときのことをすっかり忘れていて、あとでお礼を言われて「そういえば」と思い出したんだけど)

のちに知ったのですが、このとき「仲間がいた」ことの喜びが大きかったのは、むしろAYAさんのほうだったようです。

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【AYAさんのロンリー送水口ライフ】

AYAさんは1998年頃に「送水口倶楽部」というホームページをつくり、送水口愛好活動を始めました。他サイトとの交流はあったそうですが、送水口ファンに出会うことはなかったそうです。送水口愛を語り合える仲間が一人もいなかった。

そして2005年頃にお仕事の都合もあり、送水口活動を休止します。数年間のウェブ活動の中で「私も送水口が好きです」という人と知り合うことは、ついにありませんでした。

それからまた数年経った2012年、AYAさんは送水口活動を再開します。新しくブログをつくり、ツイッターも始めました。それが8月。僕がAYAさんを見つけてキムチさんに紹介したのが11月のことです。

ホームページを開設した1998年から数えて14年。AYAさんはついに仲間に巡り会ったわけです。僕がふと送ったメンションが、そんなに運命的なものだったとは。

好きなモノの対象は違えど、同じ偏愛系人間として、とてもうれしいできごととなりました。

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【送水口ファン、村上製作所を発見する】

そして翌2013年、AYAさんとキムチさんが対面(二人が首都圏在住だったこともラッキーでした)。また同年にはAYAさんが主催してキムチさんと共に第1回「送水口ウォーク」を開催します。

この前後の時期に暗渠ファンやマンホールファンの方とも交流し、似た好奇心を持つ知り合いが増えていったそうです。孤独な14年間が嘘のよう。

もちろんキムチさんにとっても同じだったと思います。キムチさんも一人で送水口活動を始めたわけですが、当初は、一緒に送水口を見て歩く仲間ができるとは思ってなかったのではないでしょうか。よかったよかった。

2014年、第2回・第3回「送水口ウォーク」開催。このイベントに参加したメンバーの一人が、ネット検索で送水口メーカー・村上製作所の存在をつきとめます。当初は「このロゴが入った送水口は、御社がつくったものですか?」と確認するためでした。そういう内容のメールを送ると、「たしかにうちの製品ですよ」との回答。しかしそのあとに意外な、そしてうれしい言葉が続いていました。

「送水口のファンがいるんですか? ぜひ弊社においでください」
そんな気前のよい返信をくれたのが、村上善一社長だったのです。

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【送水口博物館の誕生】

村上社長は「送水口のファンがいる」ということに驚き、またとても喜んでくれたようです。それは、初訪問からわずか一週間後に、社長が古い送水口の「救出作業」をおこなったことからも分かります。

ちょうど西新橋の旧日本電池ビルが解体されそうになっていたので、そこに設置されている村上製のオールド送水口を取り外し、持って帰ることを社長は決断したのです。送水口の救出なんて、もちろん誰にとっても初めてのことでした。

のちに村上社長はこう語っています。
「前日に会った送水口ファンのことが頭に浮かんで、なんとか救い出せないかという思いがこみあげてきた」

さらに同じ年、第1回「送水口ナイト」が開催されます。送水口ファンが集まってのプレゼン大会。「やろうやろう!」と背中を押してくれたのは村上社長だったそうです。もちろん社長にも登壇してもらったのですが、なんと村上社長は送水口を擬人化した恋物語の紙芝居作品を一人で制作し、発表。いわゆる「中の人」側からの真面目なプレゼンを予想していたAYAさんやキムチさんたちにとっても驚きの内容で、会場は大喝采だったそうです。

この第1回「送水口ナイト」は、メーカーの「中の人」であった村上社長が、送水口ファンと融合した記念すべき日だったのではないでしょうか。

そのあとの経緯は下記リンク先をご覧ください。送水口博物館のオープンから間もなく、友人のアシモフこと伊藤健史さんが取材した記事です。

君は世界初の「送水口博物館」を見たか
http://portal.nifty.com/kiji/151223195344_1.htm

上の記事にあるように、オールド送水口の救出をいくつか続けるうち、社長は送水口博物館の設立を思い立ちます。AYAさんたちが村上製作所を初訪問したのが2014年5月。第1回「送水口ナイト」開催が同年8月。村上社長が博物館の設立を宣言したのが翌2015年6月。そしてオープンが11月。怒濤の展開です。歴史ってこんなふうに動くんだ……

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【みんなでつくった手づくりの博物館】

僕が「ソーハクに行きたい」と思い続けていたのはそんなわけなのです。

記事でも紹介されているように、ソーハクは完全な手づくり。その多くを社長自身が手がけています。そしてAYAさん、キムチさんはもちろん、AYAさんがマンホール方面で知り合ったみわさん、傭兵鉄子さんなども加わって、作業を分担しながらみんなで完成させました。

そうした一連のできごとを、そのつど部分的に伝え聞いたり、記事で読んだりしていたので、このたびの訪問はとても感慨深かったです。

事前にツイッターでソーハク行きを宣言していたため、この日はキムチさんはもちろんのこと、たくさんの知人が集まってくれました。AYAさんやみわさんともやっと対面できた。

まず入口で館長から記念コースターが手渡されます。僕は1287番目の入館者でした。来館者を迎え入れた館長、こんどは指し棒を持って送水口の歴史や仕組みを解説。ユーモアをまじえながらたっぷり話してくださいました。さらにテレビ出演時の映像の上映会まで始まるという展開に。

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「みんなに喜んでもらいたい」という館長の気持ちが館内に充満してるようで、その高いテンションとサービス精神に感激しました。村上館長、ありがとうございました。


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顔ハメ送水口も体験しました。これはキムチさんがつくったもの。ついでに紹介すると、キムチさんは送水口を愛するあまり2013年に自作イラストを元にした「送水口Tシャツ」をつくっています。もちろん僕も購入しました。
http://d.hatena.ne.jp/ki_mu_chi/20140521/1400683114


送水口博物館はJR山手線「新橋駅」日比谷口から徒歩5分。
貴重なオールド送水口をぜひ生鑑賞してみてください。

送水口博物館
東京都港区新橋2-11-1
村上建物ビル5階

※個人運営なので開館日が限られています。
下記サイトの開館カレンダーをご参照ください。
http://www.zentech.co.jp/museum/index.html


そして!
2018年4月7日(土)はソーハク桜祭り&春のハンナまつり!

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送水口を愛でながら飲んだり食べたりしつつ
音楽も楽しめるというすばらしいイベントです。
みなさまぜひ。
うう・・・行きたい・・・




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2018年01月08日

玉島鑑賞

2016年に岡山県倉敷市玉島エリアを歩いたときの写真です。
熟成肉みたいに熟成街(まち)と呼びたい。

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【以下は2018年に再訪したときの写真です】

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