2019年07月30日

酒津15連樋門

酒津樋門(さかづひもん/倉敷市)、大正13年(1924年)竣工、鉄筋コンクリート造

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酒津樋門は高梁川の水を取水・配水し、倉敷市内外に農業用水を供給している。取水樋門の他、南北2ヶ所に配水樋門がある。特に壮観なのが南配水樋門(写真)で、5本の用水と15のゲートが並ぶ。現役の樋門としては国内最大級のものだ。

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明治44年(1911年)から大正14年(1925年)年にかけて高梁川の大規模な改修工事がおこなわれた。その附帯工事として高梁川東西用水の整備がおこなわれ、酒津樋門が建造された。高梁川両岸に12ヶ所あった取水口を統合し、酒津で一括して取水・配水することにしたのだ。

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よきカーブ。夏場は子供たちがここに入って水遊びをするそうです。


【参考資料】
『あなたの街の近代化遺産ハンドブック』(岡山県教育委員会、2007年)


posted by pictist at 22:14| 都市鑑賞

2019年07月17日

三野浄水場の無名建築がかっこいい

三野浄水場(岡山市北区三野)は近代化遺産に興味のある人にはよく知られていて、ネットで検索するといろいろなブログ記事がヒットします。みなさん明治38年(1905年)に完成したこの「旧動力室・送水ポンプ室」を鑑賞しにやって来るんですね。

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この建物は現在「岡山市水道記念館」として活用されていて、無料で入館することができます。建物の隣りにある「旧動力室煙突」も見どころの一つ。八角形で、もとは30メートルほどあったそう。現在は上部が撤去されて短くなっています。

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しかし地元岡山に住む私は言いたい。三野浄水場の見どころは「旧動力室・送水ポンプ室」や「旧動力室煙突」だけじゃないんだよ、と。ネットで「三野浄水場」を検索しても、出てくる写真はこの2つばかり(あと濾過池と)。そりゃ登録有形文化財だから貴重ですよ。でも待って。まだ帰らないで。横を向いて。すぐそばにこんなすてきな建物があるんです。

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じゃーん。総合取水ポンプ室だ!(昭和36年/1961年竣工)

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いいでしょ?

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いいよね!

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ほんと不思議なんだけど、この総合取水ポンプ室の写真、検索してもまったく出てこないんです。これまで鑑賞しようとした人はいなかったのか。敷地内で普通に目に入るのに。

三野浄水場の見どころ、まだあります。こちらの「無名建築」も見てほしい。

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中央管理棟(昭和47年/1972竣工)。「旧動力室・送水ポンプ室」のすぐ横にあります。ハリハリというか、サクサクというか。

さらにこちら。

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送水ポンプ室(昭和43年/1968年竣工)。入口のスロープの手すりに注目してください。

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樋になってるんです。きっと「水の流れ」を意識したものでしょう。雨の日に見てみたい。

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他にもこんな水飲み場があったり。

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浄水池の出入口。後ろ姿がかわいい。

三野浄水場を出たら、帰りに取水塔も見てみてね。ここから旭川の伏流水(地下水)を取水しています。

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●関連記事:半田山配水地(近代化遺産)





posted by pictist at 23:02| 都市鑑賞

2019年07月03日

総社市の商店街筋

岡山県総社市の商店街筋(商店街通り)。この道は東側で「備中国総社宮」の参道に接していて、かつては門前町としてずいぶん栄えたそうです。江戸時代後期に建てられた旧堀和平邸や、明治43年竣工の総社市まちかど郷土館(旧総社警察署)など、見ごたえのある建物が並んでいるのですが、私のイチオシはこちらのI邸(昭和9年/1934年)。この和洋衝突っぷりがすばらしい。

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他にもこんなすてきな建物が並んでいます。

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こんな鉄蓋がありました。井戸式消火栓。総社町が総社市になったのは昭和29年なので、この鉄蓋はそれ以前のものと思われます。




posted by pictist at 22:32| 都市鑑賞

2019年06月01日

半田山配水地

半田山植物園(岡山市北区法界院)は、その名の通り半田山(はんだやま)という丘陵地にあり、斜面を利用してつくられています。開園は1964年(昭和39年)ですが、この場所はそれ以前から配水地として利用されていました。近くの三野浄水場からここまでポンプで水を送り、勾配による自然流下を利用して市内へ配水しているのです。

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半田山配水地 1号配水池/1905年(明治38年)通水
明治時代につくられた設備ですが、いまも現役で稼働しています。遺産と呼んでいいのか。このような円形の配水池は類例が少ないそうです。

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右:半田山配水地 2号配水池/1905年(明治38年)通水
左:半田山配水地 3号配水池/1919年(大正8年)増設

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換気孔には岡山市章が。中央の円は「岡」の字を図案化したものです。

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半田山配水地 創建量水室/1905年(明治38年)竣工
六角形の煉瓦造り。なぜ「創建」という言葉が入っているかというと、昭和に入ってもう一棟、量水室がつくられたから。そちらと区別するための呼び名です。

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花崗岩を使った入口まわりの意匠。たぶん万成石だと思います。たぶん。

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半田山配水地 増設量水室/昭和14年(1939年)
こちらが後からつくられた増設量水室。創建量水室そっくりですが、鉄筋コンクリート造で化粧煉瓦。飾りもモルタルです。

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花崗岩もいいけど、このモルタルの味わいもいいよね。

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半田山配水地 旧事務所棟/1905年(明治38年)竣工、木造平屋建

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軒飾りが凝っています。

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こちらの換気孔にも市章が。意匠を施した風窓じたいが少なくなってきてるので、そういう意味でも貴重ですね。

半田山植物園の入園料は300円。わずか300円で3200種もの植物と、貴重な近代化遺産が鑑賞できるのですよ。登るのにちょっと体力使うけど。おすすめです。


【参考資料】
・『あなたの街の近代化遺産ハンドブック』(岡山県教育委員会、2007年)
文化遺産オンライン




posted by pictist at 06:04| 都市鑑賞

2019年04月20日

岡山大学医学部研究棟

岡山大学医学部研究棟(旧 岡山医科大学 生化学教室棟)
昭和7年(1932年)竣工
外壁のスクラッチタイルと、随所に見られる柔らかな曲線が特徴です。

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posted by pictist at 11:26| 都市鑑賞

2019年04月19日

さよなら大正建築

中村邸は大正10年(1921年)頃に建てられた2階建て木造住宅。岡山の中央部を流れる「旭川」の湖畔に建つこの家が、もうすぐなくなります。護岸整備工事が始まるためです。過日、中村邸のお別れ見学会が開催されたので参加してきました。うちの近所なので。

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この曲線、すばらしい。石積みもいい。

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この部分を室内から見たのがこちら。

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曲がってます。曲げてます。

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1階からの眺め。川の向こうは岡山後楽園です。

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階段もすてき。

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2階から。ちょうど庭のソメイヨシノが開花してました。最高の時期に見学会を開いてくださったんですね。

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こういうのなんて言うんでしょう。防護柵付きの全面ガラス窓。

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欄間には「波に千鳥」。かわいい。

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道路側から。

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なにもかもが凝っている。

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解体は6月頃とのことです。中村さん、ありがとうございました。
さよなら大正建築…





posted by pictist at 00:11| 都市鑑賞

2019年04月12日

魅惑の旦過市場

旦過市場(たんがいちば/北九州市小倉北区)に行ってきました。

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ここ、友人の大山さんが10年以上前に「迷路商店街」というタイトルで記事にしたことがあって。それを見たときからずっと想い続けてたのです。つい「想」の字を使いたくなるほどに。

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道幅が狭く天井が低いという素敵設計。

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「横丁アーケード」もあり。

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おしゃれピクトさん発見。オードリー・ヘプバーンみたいな帽子かぶってる。

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ちょっと曲がった道、 足元にピクトさん。なんという至福ロード。

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あちこちに、ちゃんと陰がある。眩しすぎない。

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よき。

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市場の裏側です。川の上にせり出して建ってるという。内も外も魅力的ってどういうことだ。

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小倉を南北に貫く紫川の支流、神嶽川(かんたけがわ)。

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上から見た市場。美しい。

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アーケード内だけど装テンも充実。ふぐや鯨など、普段見かけない業種の装テンに興奮しました。

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名物の「カナッペ」おいしかった! 魚のすり身に玉ねぎ・人参・胡椒を混ぜ込み、薄いパンで巻いて揚げたもの。

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うっとりしながら何往復もしました。




posted by pictist at 01:29| 都市鑑賞