2019年09月09日

岡山市民会館と山陽放送会館

岡山市民会館(1964年/昭和39年竣工)が紹介される際は、たいてい下記の方向から見た外観が出てきます。ホールの玄関前。

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外壁のスリットが特徴的で、全体は八角形。上から見るとこんな感じです。



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でもホール棟だけが岡山市民会館ではないのだ。少し歩いて南側も見てほしい。隣接している会議室棟はまったく違う姿をしてるんです。

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花ブロックを思わせる有孔コンクリートブロックで構成。そして、このさらに南側にあるRSK山陽放送会館が、こちら。

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似てますね。それもそのはず、設計したのは岡山市民会館と同じ佐藤武夫。しかも山陽放送会館のほうが先に完成してるのです。2年先立つ1962年/昭和37年竣工。つまり岡山市民会館と山陽放送会館は、一体的に計画してつくられた建物であるらしい。上写真、左下に小さく見えているのが先ほどの会議室棟です。

それと基礎の石積みにも注目してほしい。冒頭のホール棟の写真に写っている石積みと同じですね。こうして別々の建物に一体感を持たせていることが分かります。

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これは西側にある旧内山下小学校から見た様子。屋上にある塔屋の外壁が、岡山市民会館のホール棟そっくり。こんなところで両者が響き合っているのです。

RSKは2021年に社屋を移転するとのこと。この山陽放送会館はどうなる予定なのか知らないんですが、一度、中を見学させてもらいたいなあ・・・。ラジオの収録で2度ほど入ったことあるけど、ゆっくり見てまわる余裕はなかったので。





posted by pictist at 08:43| 都市鑑賞

2019年09月07日

岡山市民会館のかっこいい場所

岡山市民会館は、この場所がいちばんかっこいいのではないかと思う。

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手すりがカクカクと折れ曲がり、四方へ伸びる。三次元に浮かぶ直線がかっこいい。このかっこよさがなぜ生まれるのかというと、ここが中二階だからだ。中二階だから階段が短い。階段が短いから手すりの多彩な動きが一望できる。

この中二階がどういう構造になっているのかというと、こう。

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ホワイエとして利用されている。

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1階から見た様子が次の写真。

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1階から下へも半階下がったフロアがあり、さらにそこから半階降りたところにトイレがある。半分ずつ動いていくスタイル。

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↑中央やや右に見えている明るいところがトイレ。

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あちこちに伸びる手すりが空間を引き締める。

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ピクトさんもいました。岡山市民会館は1964年(昭和39年)竣工なので、最初からピクトさんはいなかったと思うけど。

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階数表示やガラスブロックなども見どころ。

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2階のホワイエとモザイクガラス。ここは特徴的なのでよく紹介されがちです。

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スペーシー。

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先日、見学会が開催されたので見てきた記録です。普段ライブ鑑賞などで入ったときは人が多くてゆっくり鑑賞できないので、ありがたかった。




posted by pictist at 11:28| 都市鑑賞

2019年08月27日

櫃石島インターチェンジの高架橋脚

瀬戸中央自動車道、櫃石島(ひついしじま)インターチェンジの高架橋脚。六角形ならではの陰影がすてき。

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posted by pictist at 20:13| 都市鑑賞

2019年07月30日

酒津15連樋門

酒津樋門(さかづひもん/倉敷市)、大正13年(1924年)竣工、鉄筋コンクリート造

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酒津樋門は高梁川の水を取水・配水し、倉敷市内外に農業用水を供給している。取水樋門の他、南北2ヶ所に配水樋門がある。特に壮観なのが南配水樋門(写真)で、5本の用水と15のゲートが並ぶ。現役の樋門としては国内最大級のものだ。

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明治44年(1911年)から大正14年(1925年)年にかけて高梁川の大規模な改修工事がおこなわれた。その附帯工事として高梁川東西用水の整備がおこなわれ、酒津樋門が建造された。高梁川両岸に12ヶ所あった取水口を統合し、酒津で一括して取水・配水することにしたのだ。

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よきカーブ。夏場は子供たちがここに入って水遊びをするそうです。


【参考資料】
『あなたの街の近代化遺産ハンドブック』(岡山県教育委員会、2007年)


posted by pictist at 22:14| 都市鑑賞

2019年07月17日

三野浄水場の無名建築がかっこいい

三野浄水場(岡山市北区三野)は近代化遺産に興味のある人にはよく知られていて、ネットで検索するといろいろなブログ記事がヒットします。みなさん明治38年(1905年)に完成したこの「旧動力室・送水ポンプ室」を鑑賞しにやって来るんですね。

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この建物は現在「岡山市水道記念館」として活用されていて、無料で入館することができます。建物の隣りにある「旧動力室煙突」も見どころの一つ。八角形で、もとは30メートルほどあったそう。現在は上部が撤去されて短くなっています。

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しかし地元岡山に住む私は言いたい。三野浄水場の見どころは「旧動力室・送水ポンプ室」や「旧動力室煙突」だけじゃないんだよ、と。ネットで「三野浄水場」を検索しても、出てくる写真はこの2つばかり(あと濾過池と)。そりゃ登録有形文化財だから貴重ですよ。でも待って。まだ帰らないで。横を向いて。すぐそばにこんなすてきな建物があるんです。

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じゃーん。総合取水ポンプ室だ!(昭和36年/1961年竣工)

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いいでしょ?

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いいよね!

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ほんと不思議なんだけど、この総合取水ポンプ室の写真、検索してもまったく出てこないんです。これまで鑑賞しようとした人はいなかったのか。敷地内で普通に目に入るのに。

三野浄水場の見どころ、まだあります。こちらの「無名建築」も見てほしい。

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中央管理棟(昭和47年/1972竣工)。「旧動力室・送水ポンプ室」のすぐ横にあります。ハリハリというか、サクサクというか。

さらにこちら。

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送水ポンプ室(昭和43年/1968年竣工)。入口のスロープの手すりに注目してください。

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樋になってるんです。きっと「水の流れ」を意識したものでしょう。雨の日に見てみたい。

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他にもこんな水飲み場があったり。

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浄水池の出入口。後ろ姿がかわいい。

三野浄水場を出たら、帰りに取水塔も見てみてね。ここから旭川の伏流水(地下水)を取水しています。

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●関連記事:半田山配水地(近代化遺産)





posted by pictist at 23:02| 都市鑑賞

2019年07月03日

総社市の商店街筋

岡山県総社市の商店街筋(商店街通り)。この道は東側で「備中国総社宮」の参道に接していて、かつては門前町としてずいぶん栄えたそうです。江戸時代後期に建てられた旧堀和平邸や、明治43年竣工の総社市まちかど郷土館(旧総社警察署)など、見ごたえのある建物が並んでいるのですが、私のイチオシはこちらのI邸(昭和9年/1934年)。この和洋衝突っぷりがすばらしい。

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他にもこんなすてきな建物が並んでいます。

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こんな鉄蓋がありました。井戸式消火栓。総社町が総社市になったのは昭和29年なので、この鉄蓋はそれ以前のものと思われます。




posted by pictist at 22:32| 都市鑑賞

2019年06月01日

半田山配水地

半田山植物園(岡山市北区法界院)は、その名の通り半田山(はんだやま)という丘陵地にあり、斜面を利用してつくられています。開園は1964年(昭和39年)ですが、この場所はそれ以前から配水地として利用されていました。近くの三野浄水場からここまでポンプで水を送り、勾配による自然流下を利用して市内へ配水しているのです。

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半田山配水地 1号配水池/1905年(明治38年)通水
明治時代につくられた設備ですが、いまも現役で稼働しています。遺産と呼んでいいのか。このような円形の配水池は類例が少ないそうです。

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右:半田山配水地 2号配水池/1905年(明治38年)通水
左:半田山配水地 3号配水池/1919年(大正8年)増設

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換気孔には岡山市章が。中央の円は「岡」の字を図案化したものです。

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半田山配水地 創建量水室/1905年(明治38年)竣工
六角形の煉瓦造り。なぜ「創建」という言葉が入っているかというと、昭和に入ってもう一棟、量水室がつくられたから。そちらと区別するための呼び名です。

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花崗岩を使った入口まわりの意匠。たぶん万成石だと思います。たぶん。

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半田山配水地 増設量水室/昭和14年(1939年)
こちらが後からつくられた増設量水室。創建量水室そっくりですが、鉄筋コンクリート造で化粧煉瓦。飾りもモルタルです。

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花崗岩もいいけど、このモルタルの味わいもいいよね。

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半田山配水地 旧事務所棟/1905年(明治38年)竣工、木造平屋建

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軒飾りが凝っています。

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こちらの換気孔にも市章が。意匠を施した風窓じたいが少なくなってきてるので、そういう意味でも貴重ですね。

半田山植物園の入園料は300円。わずか300円で3200種もの植物と、貴重な近代化遺産が鑑賞できるのですよ。登るのにちょっと体力使うけど。おすすめです。


【参考資料】
・『あなたの街の近代化遺産ハンドブック』(岡山県教育委員会、2007年)
文化遺産オンライン




posted by pictist at 06:04| 都市鑑賞