
ミニ句集をつくりました。タイトルは『棕櫚村の事件』。昭和初期の、ある集落を舞台にした連作20句です。俳句を読み慣れてない方でも、たとえば横溝正史とか江戸川乱歩とか夢野久作とか、そんな感じの世界が好きな方ならきっと楽しめると思います。
シュロのことが気になって「シュロ景」という文章を書いたのが2010年。その後、「棕櫚の花」が季語だと知ってシュロ俳句を研究し始め、2021年には「棕櫚俳句を鑑賞する」という文を『シュロ2 写真とまんがと文』に寄稿しました。
これがきっかけとなって「自分でも棕櫚俳句をつくってみたい」と思うようになり、2023年の始め頃から俳句の勉強を始めました。以前から俳句を鑑賞するのは好きだったのですが、読むとつくるのとでは大違いですね。入門書を読みながら悪戦苦闘しつつ、この一年コツコツとつくり溜めてきました。『棕櫚村の事件』はその一部です。
2024年2月25日に岡山市が主催する「おかやま文学フェスティバル」の「おかやまZINEスタジアム」というイベントがあります。そこに誘われて出店することになったので、急遽、ミニ句集ZINEをつくった次第です。屋号は「都市鑑賞舎」。大森と内海の二人店です。大森くんは岡山の妖怪をテーマにした漫画ZINEをつくるとのこと。

棕櫚咲いて暗室の水濃かりけり 内海慶一
彫像にはらわたありや棕櫚の花 〃

挿絵は伊藤若冲さんにお願いしました。玄圃瑤華(げんぽようか)というシリーズ作品の中からいくつか使ってます。

「おかやまZINEスタジアム」、いろんな表現者を知るきっかけになりそうで、いち客としてもとても楽しみにしています。
また、2024年3月9日から始まる「みんなの奉還町書店」にも一箱出店する予定なので、『棕櫚村の事件』はそちらでも販売しようと思っています。
『棕櫚村の事件』
2024年2月25日 初版発行
著者/内海慶一
装幀・デザイン/内海慶一
装画・挿絵/伊藤若冲
印刷・製本/株式会社グラフィック
価格/500円(税込)
さらに近日、別のシュロ俳句の連作を発表する予定がありますので、追ってお知らせいたします。
【追記】
岡山のナイスな古書店「ながいひる」さんでの取扱いが始まりました。店舗または通販で購入できます。
>>ながいひるオンラインショップ
ながいひるさんは新刊書籍も扱っています。ながいひるさんが入荷する新刊書籍のチョイスはとても信頼できるなあ、といつも思っています。
タグ:シュロ景