2017年05月04日

野上鮮魚店さん、おつかれさまでした

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奉還町4丁目商店街(岡山市)の野上鮮魚店(野上商店)さんが閉業されたとの報せが飛び込んできました。まだ現場は見ていないのですが、近くでゲストハウス「とりいくぐる」を営んでいる知人によると、すでに建物の解体が始まっているそうです。上の写真は昨年(2016年)撮影したもの。

昨年、「岡山芸術交流オルタナティブマップ」という冊子3部作を制作しました。これは、街の中にある様々なものを「作品」として鑑賞してもらおう、というコンセプトでつくった街歩きマップです。

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私を含めて3名で手分けして作品の推薦・取材をおこなったのですが、私が担当した案件の一つが、野上商店さんでした。掲載した「作品」は、黒い人造石でできた商品陳列台。貝殻の破片が散りばめられているのが粋でした。

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昔は魚を陳列台にじかに並べていたそうです。

取材をお願いすると、ご主人は快く昔のお話をしてくださいました。お店をやめるというようなことはまったくおっしゃっていなかったのですが、ほんの数ヶ月前のことなので、きっともう心に決めておられたのでしょうね。

半世紀以上続いてきたお店と、名も知れない誰かがつくったこの「作品」を最後に紹介することができてよかったです。有為転変は世の習い。仕方のないこととはいえ、長く続いたお店がなくなるのは、やっぱりちょっと寂しいです。

「岡山芸術交流オルタナティブマップ」に執筆した紹介文を、ここに転載しておきます。野上商店さん、長い間おつかれさまでした。


Display Table of Nogami Shouten
野上商店の陳列台

戦前から鮮魚店を営んでいた野上商店は、昭和35年頃に現在の場所へ移転。当時建てた店舗を今もそのまま使い続けている。目を引くのが、商品を並べるための陳列台。黒い人造石でできており、その中に貝殻の破片が散りばめられているのだ。水に濡れた貝殻が光を受け、半世紀前と変わらない輝きを放っている。



posted by pictist at 00:00| 都市鑑賞