「西大寺鑑賞」「西大寺鑑賞2」「西大寺鑑賞3」に続く第4弾です。今回は橋と水路編。西大寺(岡山市東区)は鴨越用水沿いの風景がとても素敵なんです。
以下の写真はここ10年くらいの間に撮ったものなので、現在は多少様子が変わっている場所もあります。

鴨越(かもごし)用水の上を渡る赤穂線の新田用水橋梁。鴨越用水は新田用水とも西川とも呼ばれます。

水路沿いのいたるところに雁木があります。こういうふうにコンクリートブロックなどを置いてカスタマイズしてる雁木ってときどきありますよね。

これは以前も掲載した逆サイフォン(伏せ越し)。新堀川の下を鴨越用水がくぐっている場所です。

上掲写真と同じ場所を水量の少ない日に撮ったもの。交差するだけではなく逆サイフォン(伏せ越し)なので、川底より一段低くなっていることが分かります。

新堀橋(しんぼりばし)

新堀橋

おや? 護岸に切れ目が……

これは排水路ではなく、ここから鴨越用水の水を取り入れて、敷地内の庭に池をつくっていた跡なのです。風流ですね。岡山市中心部を流れる西川沿いにも、かつてはそういうお屋敷がいくつかあったそうです。

奥を見ると石積みになっており、かなり古くにつくられたことが分かります。

マイ橋と雁木。「マイ橋」についてはいずれきちんと記事にしようと思ってます。自分にとってけっこう重要な鑑賞ジャンルなんですが、重要なだけに、なかなかまとめ作業に取りかかれずにいます。

雁木もいろんな様式があって鑑賞のしがいがあります。これもそのうちちゃんと記事にまとめたいです。写真はたくさん撮ってるんですが。

木製のマイ橋。グッときます。

よき。

大正橋

大正橋

大正橋

よきカーブ。

よきカーブ。

金光橋。岡山市のウェブサイトがなぜかこれを「きんこうばし」と書いてるんですが、「こんこうばし」です。

こんくわうはし。高欄は平成期に改修されてますが、親柱は竣工時のものです。 塗り替えはされてるみたいですが。

金光橋

金光橋

金光橋

金光橋

西川橋

昭和橋

昭和橋

昭和橋

昭和橋も平成期に改修されてますが、親柱に竣工時の銘板があるので、ここも親柱だけは変わってないのかもしれません。

雁木

蔦這うマイ橋

マイ橋

西大寺文化資料館(旧伊原木邸)の敷地沿いにある開口部。

昔は鉄柵がなかったのかもしれませんね。奥に雁木が見えます。

千歳橋。鴨越用水に架かる橋の中で、現存するものとしてはもっとも古く、1917年(大正6年)竣工です。石造で残っているのもこの橋のみ。

千歳橋

千歳橋

千歳橋の親柱

千歳橋

千歳橋と鴨越用水

千歳橋のそばの雁木

以前も掲載したグッドビュー。正面の建物は元銭湯。屋根の上に湯気抜きが見えます。

このあたりのクネクネした水路沿いの道は特にすてきです。

曲がりくねる水路が「その先で見えなくなる」ところにグッときます。

少し高低差のあるマイ橋。

高欄付きのマイ橋。

蔦這う雁木

公園に架かる橋。

反対側から見たところ。奥に見えるのは地蔵橋です。

荒鍬橋(あらくわばし)。1936年(昭和11年)竣工。高欄は改修されてますが、これも親柱は竣工当時のもののようです。

荒鍬橋の親柱。奥に見えているのは荒鍬宮へ続く橋。

荒鍬橋

鴨越用水沿いに建つ3階建ての建物。ここは高低差のある土地に建つ「ガケンチク」で、反対側からは2階建てに見えます。

赤マイ橋

青マイ橋

神武橋。前掲の荒鍬橋と同じ1936年(昭和11年)竣工です。神武橋は高欄も竣工当時の姿をとどめているのではないかと思います。

グリルも鑑賞ポイント。

神武橋のあるあたりは100メートルほどにわたって車道が高くなっており、水路沿いに歩道がつくられています。

なので神武橋の下をくぐることができます。

こういう高低差。


一枚一枚、護岸から突き出す石のステップ。

マイ橋。桁の下に丸太が見えます。


ランタナとマイ橋。

3階建てのガケンチク蔵。

この水路に降りていく階段、めちゃくちゃ素敵じゃないですか。

上から見たところ。

階段の途中に蔵の扉があるんです。

ここもすごくいい。階段を降りた先に雁木があって、橋がある。

上から見たところ。
鴨越用水の風景は以上です。

こちらは新堀川(秋芳川の分流)の風景。Googleマップを見るとなぜかこの川が「吉井川」と記載されてますが、間違いです。奥に見えているのは清水橋。

左に見えているのは秋芳川排水機場の取水口で、増水時はここから新堀川の水を吉井川へ排出します。

秋芳川排水機場のポンプ施設は野球グラウンドの地下にあります。

秋芳川排水機場の向かい側。大正時代の水道栓が残っています。

かつてはこの雁木で高瀬舟の荷の揚げ降ろしをしていたそうです。
以下は西大寺のまちを流れる名もなき水路の風景です。

ここは鴨越用水の分流。カーブする石積みってなんでこんなにいいんだろう。

1902年(明治35年)創業、大森自転車商会の脇を流れる水路。


焼き杉と水路。


暗渠もあちこちにあります。

水の流れが見えてくるような小道。
「ちょっと曲がった道」もご参照ください。
西大寺は観音院や五福通りが有名ですが、すぐそばにこんなに素敵な水路が流れているので、機会があったらぜひ散策してみてください。
posted by pictist at 01:05|
都市鑑賞