2024年01月25日

与島橋の鑑賞

昨年末、本四高速さんにお招きいただいて与島橋(瀬戸大橋の一部)を見学してきました。2022年に与島の主塔と北備讃瀬戸大橋を見学させていただいたのですが、今回はその北側に架かる与島橋です。
※画像はすべてクリック(タップ)で拡大できます。

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与島から北を向いたところ。手前のトラスが与島橋です。こうして見ると、トラス、斜張橋、吊り橋といろんなタイプの橋梁を一望できる瀬戸大橋の魅力にあらためて気づきます。


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2連つづく斜張橋は岩黒島橋と櫃石島橋。計画段階ではここもトラスのみにする予定だったけど、見栄えを考えて変更、斜張橋(トラス斜張橋)にしたとのこと。


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普段はなかなか見ることができない位置からトラスを見ることができて興奮しました。間近に迫る鉄骨!


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でかすぎてスケール感が分からなくなるほど。上に自動車道の道路標識が見えてるのが分かるでしょうか。


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トラスの中を歩く。内側からのビューも見ごたえがありました。


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瀬戸内海を見渡しながらずんずん歩きます。


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いろんな消失点が鑑賞できます。


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下を見ると、二つに分かれた池が。これ、石切り場の跡なのだそうです(与島はかつて採石場でした)。そこに雨水が溜まっている。

真ん中に、池を仕切るようにしてそびえている岩が見えますが、この岩について面白い話を教えていただきました。

与島では複数の採石業者が仕事をしていて、それぞれ自分の所有地を持っていたそうです。その所有地の境界がこの岩だというのです。

つまり両側から掘り進んできて、「よその土地へはみ出して採石をしないようにしよう」とお互いが配慮した結果、最後の一岩が残っているというわけ。

今はもうなくなった採石場の「所有地の境界線」が物理的に残り続けているというのは面白いですね。

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与島では瀬戸大橋が完成する直前まで採石がおこなわれていました。今でも島のあちこちに「使われなかった石材?」らしきものが積まれています。


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これは与島パーキングエリアの防護柵用の石柱。ひょっとするとこの島で採掘したものかもしれませんね。


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こちらは与島の住宅エリアにある共同井戸の跡。上に載っている丸い鉄板は、石材切断機の刃なのだそうです。それを蓋がわりに置いてるんですね。


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与島の北端の橋脚から振り返ったところ。岩山の上を突き抜けていく鉄骨トラスがかっこいい。

この記事の冒頭の4枚の写真は、あの岩山とトラスの間から撮影したものです。


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これは前回与島を訪れたとき、下から撮影したもの。いいよねえ。


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さすが瀬戸大橋、支承(橋桁を支える部位)もスケールが違います。


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どでか支承。


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見る角度によっていろんな表情を見せてくれるトラス構造。


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瀬戸大橋線。


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スリリングな点検用の階段。


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与島から移動して、香川県側にある「番の州」へやってきました。これは番の州高架橋のトラス部分。めちゃくちゃかっこよくないですか。

本四高速の方がここのトラスのことを「バントラ」と呼んでいたのもよかったです。番の州トラス、略してバントラ。


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トラスから続く高架のコンクリート橋脚群も壮観。


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ぽつんとシュロが、ありました。

本四高速さん、ありがとうございました!


【あわせて読みたい】
瀬戸大橋と与島ループ橋

posted by pictist at 03:26| 都市鑑賞

2024年01月06日

都市鑑賞的ブックトーク

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教育事業をおこなっている一般社団法人SGSG様よりご依頼をいただきまして、ものすごく久しぶりにトークイベントをすることになりました。

3月に「みんなの奉還町書店」というシェア型書店が期間限定でオープンするのですが、その期間中の関連イベントという位置づけになります。

内容はお任せだったので、以下の企画を立てました。

2部構成で、第1部は「〈21世紀版〉都市鑑賞ブックガイド」。2001年以降に刊行された都市鑑賞系の書籍の中から、おすすめの本を紹介します。以前「都市鑑賞論」というトークイベントをやったとき、私が独自に「都市鑑賞年表」をつくって江戸時代から順に歴史を追っていくというのをやったんですが、それの21世紀版とも言えます。

路上観察系・都市鑑賞系の活動をしている人は多いですが、ジャンルを横断して俯瞰する機会ってなかなかないと思うので、きっと面白いと思います。建築、土木、アート、写真などに興味のある方は特に面白いはず。

まだ細かいところまでは考えてませんが、『メイド・イン・トーキョー』で始まって『新写真論』で終わる、という流れがきれいなんじゃないかなと思ってます。でも20年間ぜんぶを追う時間はないかも……

あと私がこれまでに岡山で撮影した写真の中から、それぞれの紹介本のジャンルに沿ったものをお見せしたりもしたいです。たとえば『たのしい路上園芸観察』を紹介するときに、岡山で撮った路上園芸写真を出すとか。

第2部は「グッとくる書名*グッとくる装幀」。ゲストに古本 斑猫軒をお迎えします。これは都市鑑賞に限らず、さまざまな本の中から私たちが個人的にグッときた書名や装幀デザインを一緒に見ていくコーナーです。本の中身には言及せず、ひたすら表紙まわりの情報のみを味わっていきます。

「グッとくる」はいろんな感情を含んでいます。思わず笑ってしまうものもあり、かっこよさにほれぼれするものもあり。みんなで本を楽しみましょう。


◇◇本を楽しむ 都市鑑賞的ブックトーク◇◇
・日時_2024年3月20日(水・祝日) 14:00〜16:00
・場所_地域交流ステーションverde(岡山市北区奉還町3-1-32)
※追記/開催場所が変更になりました。verdeの2軒隣りにある「SGSG」へお越しください。
・講師_内海慶一(ライター・都市鑑賞者)、古本 斑猫軒
・料金_1500円(1ドリンク付)
・定員_20名※要予約
・主催_一般社団法人SGSG

下記Googleフォームよりご予約ください。
>>「都市鑑賞的ブックトーク」予約Googleフォーム



「みんなの奉還町書店」の出店募集要項と応募フォームは下記へどうぞ。私も一箱、出店しようと思います。
>>みんなの奉還町書店

タグ:都市鑑賞
posted by pictist at 14:52| イベント