

これまでに撮影した型板ガラスの写真を使って一覧画像をつくりました。これがあれば、模様と名前の同定が簡単にできると思います。
主だった商品はだいたい掲載していますが、「たけ」と「ユーカリ」は載せていません。この二つには良い状態で出会ったことがないからです。「たけ」と「ユーカリ」のきれいな写真を提供してくださる方がいたらうれしいです(もちろんご自身の撮影画像に限ります)。
また、「ラフライト」「ソフトペーン」「ソフトラル」のソフト系や、「石目」「ロックラル」の石目系も載せていません。「梨地」「霞」「まさご」などのぼんやりした模様も載せていません。
他にも載せていない商品はいくつかありますが、特徴的な商品を見分けるだけであれば、この一覧で十分だと思います。いつか「たけ」と「ユーカリ」が手に入ったら改訂版をつくろうと思います。
ツイッターにこの一覧をアップしたところ、大きな反響がありました。引用RTやリプライでいただいた感想の中に「子供のころ、模様を指でなぞって遊んだ」という思い出を持つ方がたくさんいらっしゃったのが興味深かったです。つまり、触覚の記憶とセットになっている人が一定数いる。また、「模様をフロッタージュしてコレクションして遊んだ」という方も何人かいました。これも一種の触覚ですよね。
凹凸が「触れる」という行為を誘発して、それが多くの人の思い出になっている。「型板ガラスの柄は印刷模様のような平面じゃないんだ」という、最初からよく知っているはずのことを、今回あらためて考えました。ツルツルしたウェブ画像だからこそ、本物との決定的な違いに思いを馳せつつ、鑑賞していただけたらと思います。
掲載している商品名は以下の資料を参照しています。
・『社史』(旭硝子株式会社、1967年)
・『旭硝子100年の歩み : 伝統・創造・革新』(2007年)
・『日本板硝子株式会社五十年史』(1968年)
・『セントラル硝子三十五年史』(1972年)
・産業技術史資料データベース
・大阪板硝子販売株式会社ウェブサイト
・当時の商品サンプル(@pieni11さんのツイートより)
・当時の商品広告
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・型板ガラスコレクション(セントラル硝子編)
・型板ガラスコレクション(旭硝子編_前編)
・型板ガラスコレクション(旭硝子編_後編)
・型板ガラスコレクション(日本板硝子編)
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・結霜ガラス