2021年12月01日

戦災焼失地の内と外(2)

前回は戦災焼失地の「外」を歩きましたが、今回は「内」です。

※本ブログの画像はすべてクリック(タップ)で拡大できます。

岡山市戦災焼失地マップ00.jpg

マップの赤い部分が戦災焼失地ですが、この内側にあった建物がすべてなくなってしまったわけではありません。たとえば岡山神社(石関町)は本殿や拝殿を焼失しましたが、南側にある随神門(延亨2年/1745年造立)は残り、現在は岡山市指定重要文化財になっています。

岡山神社.jpg

ただ、建物が丸ごと残った例は少なかったのではないかと思います。さらに「現存しているもの」となると、私の知る限りでは3つだけです。

焼失地エリア内にあって、建物が丸ごと現存しているもの。一つは岡山禁酒会館(大正12年/1923年竣工)です。こちらは登録有形文化財にもなっている有名な建物なので、知っている人は多いと思います。

過去記事に写真を掲載しています。
>>岡山禁酒会館

禁酒会館.jpg

もう一つは旧内山下小学校校舎。これは鉄筋コンクリート造なので、焼失しなかったのも分かります。『岡山県の近代化遺産』(岡山県文化財保護協会、2005年)にも掲載されている貴重な建物です。
【追記】うっかり忘れてました。あとルネスホールもありました。

そしてもう一つの建物がこちら。

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日本聖公会 岡山聖オーガスチン教会(弓之町、昭和3年/1928年竣工)

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竣工年が禁酒会館と数年しか変わらない貴重な建物ですが、そのことを知っている人は少ないのではないかと思います。ネット上にも情報は見あたらないし、本に載っているのも見たことがありません。私もまちを歩いていて偶然知った次第。

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禁酒会館と同じドイツ壁仕上げになっています。

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花壇のすみにひっそりとある御影石の竣工記念碑。「昭和三年十一月十四日」に聖堂が建てられた旨が刻まれていました。

聖オーガスチン教会.jpg

焼け野原の中、この教会がぽつんと建っている光景を想像して、あらためて周辺を見まわしました。



>>戦災焼失地の内と外(3)

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posted by pictist at 21:36| 都市鑑賞