2021年12月26日

2021年の活動記録

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・「キュンキュン☆コンクリート」ノートブックを制作・販売>>

・『写真とまんがと文 シュロ2』に「棕櫚俳句を鑑賞する」を寄稿>>

・YouTubeチャンネル「都市のラス・メニーナス」に出演>>


〈その他〉
・山陽新聞2021年8月7日の一面コラム「滴一滴」で内海慶一の活動と『ピクトさんの本』が紹介されました
・Eテレにピクトさんが登場しました>>
・『ピクトさんの本』が第15刷になりました>>
・「装飾テント」を寄稿した『街角図鑑』が6刷になりました

タグ:活動記録
posted by pictist at 12:42| あれこれ

2021年12月22日

結霜ガラス

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ずっと型板ガラスを鑑賞してるんですが、窓ガラスに注目していると、型板ガラス以外のガラスも見ることになります。結霜(けっそう)ガラスもその一つ。

結霜ガラスは型板ガラスではなく、板ガラスの表面に膠(にかわ)を使って模様をつけたものです。グルーチップガラスとも言います。

まず、板ガラスに膠を塗ります。そして乾燥させます。すると膠が収縮してガラスの表面が割れてきます。最後に乾燥した膠もろとも、割れたガラスを剥ぎ取ります。できあがり。

つくり方を見ると分かるように、これは乾燥という自然現象によって生まれる模様です。だから結霜ガラスはすべてが一点モノで、まったく同じ柄のものは二つとありません。

この霜のような、あるいはシダのような模様のガラスが、古い建物に残っていることがあります。以前、記事にした岡山禁酒会館でも見ることできます。

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「集会場」の窓。いくつかは昭和時代の型板ガラスと入れ替わってますが(割れたんでしょうね)、結霜ガラスが何枚か残っています。竣工当時(大正12年)のものだと思います。

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結霜ガラスは明治末期頃から国内の板ガラスメーカーが生産していましたが、1940年(昭和15年)以降はつくられていません。

つまり結霜ガラスが使われている建物の竣工が戦後ということは考えにくい。

もちろん、ストックされていた結霜ガラスがのちに使われたケースもあるかもしれない、とも考えられますが、そんなに多いとも思えません。おおむね「昭和初期かそれ以前」と考えてよいのだろうと思います。

下の写真は岡山市内で見かけた平屋。それほど古い建物に見えなかったのですが、おそらく改修しているからでしょう。

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以前、岡山市北区出石町を歩いて「戦災焼失地の内と外(1)」という記事を書きました。出石町に残る戦前の建物をいくつか紹介しましたが、ここに出てくる「街角ふれあいビル」の斜め向かいに、下の建物があります。

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この建物は明治時代に建てられたもので、右側にある陳列ケースは、大正時代に撮影された写真にすでに写っているそうです。

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ガラスは新しそうなので後年入れ替えたものだと思いますが、木枠などを見るといかにも古そう。

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と、思いながらよく見ると……!

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ケースの奧の仕切りガラスが結霜ガラス。「大正時代の写真に写っている」というその写真を私は見ていませんが、結霜ガラスがその裏付けになっています。

どこかで結霜ガラスを見かけたら、「1940年(昭和15年)以降はつくられていない」という豆知識を思い出してみてください。

【参考文献】
加藤雅久・真鍋恒博「明治期から昭和初期までのわが国における型板硝子等の変遷」(日本建築学会計画系論文集 第524号、1999年)




posted by pictist at 01:18| 都市鑑賞

2021年12月18日

ピクトさん鑑賞20年

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ウェブサイト「日本ピクトさん学会」に先日書いた文章を以下に転載します。ピクトさんの鑑賞を始めて20年ということでなんとなく書き始めた文章がけっこう長くなったので、こちらのブログにも残しておきます。



私が「ピクトさん」という切り口で人物型ピクトグラムを鑑賞しよう、と思い立ったのは2001年のことでした。今年でちょうど20年経つことになります。

20年続けても、まだ飽きない。時代の移り変わりの中で新たなピクトさんが登場するし、同じジャンルのピクトさんにもいろんなバリエーションがあるから。そしてなにより、「ピクトさん」はイマジネーションが支えているものだからです。

日本ピクトさん学会会長の私がこんなことを言うのもなんですが、「ピクトさん」という人間は、実際には存在しませんよね。「ピクトさん」というのは一種の見立てです。「この記号がもし本当に人間だったら」と想像を広げる行為です。

そのイマジネーションを他者と共有しながらおこなう鑑賞活動が「ピクトさん」です。私が飽きずに今までやってきたのは、そのことが大きなモチベーションになっているからだと思います。自分が生み出したイマジネーションを中断したくないという心理があったような気がします。

『ピクトさんの本』刊行の3年後に、『100均フリーダム』という本を出版しました。一見、まったく違うジャンルの本のように見えると思いますが、私の中ではほとんど同じことをしたつもりです。

『100均フリーダム』は、100円ショップで売られているいいかげんな商品たちを「作品として褒め称える」というコンセプトで書いた本です。「100均作家」なんて実際にはいないし、100均グッズに一般的な意味でのクリエイティビティと呼べるようなものはほとんどありません。

でも「フリーダム」という価値観を導入することによって、がらくたのような100均グッズが突然、輝き出す(ような気がする)。誰かにそのイマジネーションが伝わることは、私にとって大きな喜びでした。

残念ながら100円ショップはここ10年で洗練され、今はもう『100均フリーダム』に掲載しているような商品はほとんど売られていませんが、「共有したイマジネーション」は読者のみなさんの中に残り続けてるんじゃないかと思います。

『ピクトさんの本』を出版したときも『100均フリーダム』を出版したときも、インタビューなどで「コレクターなんですね」と言われることがときどきありました。

私はそのたびに、「いや、コレクターとはちょっと違うんですよね」と言いつつ、短い時間で自分がやっていることを説明するのに苦労していました。

収集をしなければ始まらないので、その意味ではコレクターなんですが、「収集欲を満たすこと」が最終目的ではない。

私はそれらを、イマジネーションを駆使して読み替えることが楽しかった。いわば「現実の二次創作」のようなおこないです。ピクトさんと100均フリーダムはその点で共通しています。

わわ。ふと「20年かー」と思って書き始めたらこんなに長くなってしまいました。

私は今は「都市鑑賞者」と称してピクトさん以外にもさまざまなジャンルのものを鑑賞していますが、すべてを同じ動機(欲望と言ってもいい)で鑑賞しているわけではありません。それこそシンプルなコレクション欲だけで撮っているジャンルもあります。

そんな中で、「ピクトさん」や「100均フリーダム」と近い系統に入るのが「台の鑑賞」というジャンルです。ツイッターに #台の鑑賞 というハッシュタグをつくってときどき投稿しています。

同じ人間の中でも、ジャンルごとに鑑賞動機が少しずつ違うってことあるよね、という話についても、いつかきちんとまとめて書いておきたいと思っています。




posted by pictist at 23:40| ピクトさん

2021年12月17日

天神山文化プラザの記録

天神山文化プラザ(旧岡山県総合文化センター、1962年/昭和37年竣工)
岡山市北区天神町8-54

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設計:前川國男




posted by pictist at 13:42| 都市鑑賞

2021年12月16日

二十四ヶ坪地下道ふたたび

二十四ヶ坪地下道(岡山市北区)を久しぶりに歩いてきました。
こちらは5年前に訪れたときの記事。
>>岡山の知られざる地下道

北側から入ります。

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途中で一回、空が見えて(これは振り返って北を向いたところ)

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ふたたびダンジョンへ。

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南側に出て振り返ったところ。

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地下道の入口付近にある国鉄の境界杭。

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この地下道の竣工年が知りたいんですが、どうやって調べたらいいと思いますか。



posted by pictist at 19:35| 都市鑑賞

2021年12月10日

博士の家(旧津田邸)

これは2018年に撮った、岡山市北区広瀬町にある洋館付き和風住宅。見たところ、どうやら空き家らしい。すてきな建物なので「なくなったら残念だな…」と思いながら見てました。

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このコンクリートの門柱と塀のデザインもすごくいい。上部が少し広がってるところとか。

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そしたら2019年に、この家が「地域のコミュニティハウスとして生まれ変わった」というニュースが流れてきました。再び見に行くと、塀と庭木の一部が取り除かれ、玄関まわりがきれいになってました。

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新聞記事によると、この家は岡山医科大学(現 岡山大学医学部)の教授だった医学博士・津田誠次氏(1893〜1972)の自宅として昭和7年(1932年)に建てられたとのこと。ご親族が「思い出の家を次世代に引き継ぎ、社会に役立てたい」と地域に提供したのだそうです。

そんなわけで現在は「博士の家」と名付けられ、コミュニティハウスとして運用されています。利用するためには年間契約が必要とのことなので気軽に立ち入れそうにないのですが、いつか建物の中を拝見できる機会があるといいなあと思ってます。




posted by pictist at 20:16| 都市鑑賞