2020年12月30日

2020年の活動記録

・『散歩の達人』2020年6月号で石井公二さんと対談 >>

・『街角図鑑 街と境界編』(三土たつお編、実業之日本社)に「玄関灯」を寄稿 >>

・「キュンキュン☆コンクリート」Tシャツを製作・販売 >>

・都市鑑賞会「内側から見る岡山」のナビゲーターを務める >>

・第18回おかやま県民文化祭参加プロジェクト「めぐるカルタをつくろう」にゲスト参加 >>

・『おすすめ文庫王国2021』に読書エッセイ「路上の文庫、または都市を鑑賞する文庫」を寄稿 >>

〈その他〉
・「装飾テント」の執筆で参加した『街角図鑑』が5刷になりました。
・株式会社タグチ工業が発行するフリーペーパー社内報「ガジラ通信」でコラム「すみっこ鑑賞入門」を連載中です。今年は第8回「文字の形」を寄稿。


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タグ:活動記録
posted by pictist at 01:32| あれこれ

2020年12月23日

2020年に書いた都市鑑賞系の記事一覧

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・岡山城の不思議な狭間

・山陽放送会館の階段にしびれた

・ミッド昭和が息づく山陽放送会館

・忘れられた岡山の「みゆき通り」

・玄関灯「バルベット」の謎

・円形歩道橋(十日市交差点歩道橋)

・川に並ぶT字(旭川ケレップ水制群)

・都市計画の中断が生んだ細長い公園

・日本家屋の廃薬局

・旧岡山刑務所の痕跡

・「洋風住宅にシュロ」ジョサイア・コンドル起源説

・さよなら竹中工務店岡山営業所ビル

・さよなら「文化人の靴 創美」

・「気になる家」シリーズ

・日本の装飾テントにはなぜ「骨見せ」タイプがあるのか

・両面灯バルベットコレクション(書籍未収録)

・江戸時代のシュロ絵

・日本銀行岡山支店

・転倒系ピクトさんのデータを無償で提供します

・夜のかたち

・さよなら中日ビル

・在りし日の旧北長瀬みずほ住座(1_NSペア)

・在りし日の旧北長瀬みずほ住座(2_増築の魅力)

・在りし日の旧北長瀬みずほ住座(3_いろんな表情)

・瑜伽山加圧ポンプ場と門田喞筒場

・岡山島屋ビルの見どころ(1_階段)

・岡山島屋ビルの見どころ(2_夜の顔)

・岡山のオールドすべり台

・岡ビル(内側から見る岡山)

・「御幸通り」が地図に載る日がくるかも

・上之町ビル(防火建築帯)1

・上之町ビル(防火建築帯)2


>>2019年に書いた都市鑑賞系の記事一覧




タグ:都市鑑賞
posted by pictist at 13:13| 都市鑑賞

2020年12月21日

上之町ビル(防火建築帯)2

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前回の続きです。

上之町ビルは、シンプルな構造をしているわりには全貌がつかみにくい。初めて中に入ったときは、移動しながら「あれ?」と思う瞬間が何度かあった。

この建物の分かりにくさの最大の要因は、「3階の通路が西側にあり、4階の通路が東側にある」ことだろう。これを知らないまま中を移動していると、不思議な感覚におちいる(これを読んで知ってしまった方はもうこの感覚を味わえないが)。

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こちらは3階の通路。写真は南を向いた状態で、向かって右側が商店街だ。防火建築帯らしさあふれる一本道。

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窓から外を見るとアーケードの屋根がある。

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こちらは4階の通路で、北を向いている状態。向かって右がオランダ通りだ。

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実は外から分かる箇所がある。写真はオランダ通りから見た様子だが、3階の東進予備校は窓のすぐ奧に教室があり、4階の窓の向こうは通路になっているのが見える。よく見ないと気づかないだろう。

ここまで3階と4階の話をしてきたが、では2階はどうなっているのかというと、2階に通路はない。上之町ビルは、「1階の商店と、それぞれのお店の上の階」がセットになっており、商店ごとに分かれているのだ。「2階建て店舗の上にテナント階がある」と思えば分かりやすい。

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だからエレベーターが2階に停まらない。「2」のない階数表示。

以下は建物の中を見ながら気になったもの。

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まだピクトさんがいない頃の非常口サイン。1980年代以前は、このように文字だけだったのだ。

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トイレサインもピクトグラムはなく文字だけ。

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階段。

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木の手すり。

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そして上之町ビルのいちばんかわいいところ、階数表示。これは最上階のR

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1がただの棒に見えるところもいい。




posted by pictist at 19:46| 都市鑑賞

2020年12月20日

上之町ビル(防火建築帯)1

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上之町ビルの北側の階段室。防火壁が出っぱっている。


都市鑑賞会「内側から見る岡山」で見学した上之町ビル(岡山市北区表町一丁目、1961年/昭和36年竣工)は「防火建築帯」として建てられた。

防火建築帯とは、火災の延焼抑止を目的としてつくられた帯状の耐火建築物のことだ。防火建築帯の造成は、戦後日本の都市開発における重要なプロジェクトの一つだった。

戦後まもなく「都市不燃化運動」が起こる。日本のまちは燃えやすかった。火災が発生すればあっというまに延焼し、区画一帯がすべて焼けてしまう。「火に強い都市をつくらねば」と人々が考えるのは当然のことだっただろう。空襲を経験すればなおさらである。

そうした背景の中、1952年(昭和27年)に耐火建築促進法が施行される。これは国と自治体の補助金によって防火建築帯の造成を促す法律だった。以降、同法が廃止される1961年(昭和36年)までの9年間に、全国84都市で総延長38.8kmの防火建築帯が造成されている。上之町ビルもその一つだ。

このビルは商店街と一体になっており、また他の建物が隣接して密集しているため、今ひとつ全体像がつかみづらい。下記はGoogle Earthからキャプチャした画像だ。

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東を向いた画像。手前を横切っている棒状がアーケードの屋根。それに沿って上之町ビルが建っている。「帯」になっているのが分かるだろうか。

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逆向き、西を向いた画像。

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上の画像から上之町ビルだけを残した図。南北にそれぞれ階段室とエレベーターがあり、ホチキスの針のような形をしていることが分かる。




余談だが、この表町商店街再開発プロジェクトの基本計画(マスタープラン)をつくった日本建築学会「再開発委員会」のメンバーの中には、若き日の磯崎新もいた。

1961年(昭和36年)、耐火建築促進法は廃止されるが、同時に防災建築街区造成法が制定され、法の趣旨が発展的に継承される。さらにその後、1969年(昭和44年)の都市再開発法へと受け継がれていく。

つまり耐火建築促進法は、日本の都市開発法のルーツと言える。そして防火建築帯は、そのルーツを今に伝える証言者なのだ。

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南端を、オランダ通りから北向きで見上げたところ。

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南端を、オランダ通りから南向きで見たところ。下に見えている低いビルや、右端に見えているビルは別の建物だ。把握しづらい。

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商店街から見た上之町ビル。アーケードがあるため、ここに5階建てのビルがあるようには見えないだろう。左下、自販機の横にビルへの入口(北口)がある。

今回はここまで。次回はビルの中をご紹介します。中がまた把握しづらいんだよね……

参考文献:『日本の都市再開発史』(社団法人全国市街地再開発協会、1991年)




posted by pictist at 13:00| 都市鑑賞

2020年12月06日

『おすすめ文庫王国2021』に寄稿しました

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『本の雑誌』が年に1度刊行している増刊号『おすすめ文庫王国』の今年度版、『おすすめ文庫王国2021』に寄稿しました。

「路上の文庫、または都市を鑑賞する文庫」と題した読書エッセイです。よく知っている日常を新しい視点で捉え直す「ソトの眼」の話を軸にして、これまでに僕が影響を受けた本の中から現在も入手可能な文庫本5冊を選んで紹介しています。

ここで取り上げた本を読んだことのある方もいると思いますが、既読の方も「この作品にはそんな一面もあったのか」と新鮮に感じてもらえるといいな、と思いながら書きました。

【版元ページ】
WEB本の雑誌> 本の雑誌社 > 本の雑誌社の最新刊 > おすすめ文庫王国2021

『おすすめ文庫王国2021』(本の雑誌社)
880円(税込)
2020年12月7日発売
ISBN-10 : 4860114523
ISBN-13 : 978-4860114527





タグ:都市鑑賞
posted by pictist at 19:07| 執筆

2020年12月05日

「御幸通り」が地図に載る日がくるかも

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田町橋のそばに隠れるようにして建っている御幸通の石碑


今年の3月にこんな記事を書きました。

>>忘れられた岡山の「みゆき通り」

岡山市の中心部に「御幸通(みゆきどおり)」という道があるんだけど、この呼び名はまったく定着してないよね、使えばいいのにね、という内容です。

で、この記事を書いた直後くらいに、偶然にも岡山商工会議所が「ストリートネーム・コンテスト」という企画で、市内を通るいくつかの道路の愛称を募集し始めました。その中には上記「忘れられた御幸通り」の道も入っていました。

ほんとに忘れられてる!っていう。名前があるのに名前を募集されてる。

これは応募するしかないなと思って、提言を送りました。『もともとこの道には「御幸通り」という名前がありますよ、使ったらどうですか』という感じの内容です(上記の記事のリンクも添えました)。

そして昨日、結果発表がニュースに出ていたのですが、御幸通り、無事に採用されてました。よかったよかった。

>>愛称公募の岡山4市道 どんな道?:山陽新聞デジタル|さんデジ

まあ、御幸通りが別の愛称で呼ばれることになったら、それはそれで面白かったかもしれないけど。

まだこれで決まったわけではなく、あくまでも商工会議所から岡山市へこの内容を提言する段階であるとのこと。市の正式な愛称の制度があるので、その中に入れてもらえるかどうかですね。

もしそうなったら地図に載ることになるので、どうなるか楽しみです。

ちなみに採用されたもう一本の東西の道「野殿橋通り」も僕が送った案です。もちろん他にも同案を応募した方はいらしただろうと思いますが。2つも提案が採用されてうれしいです。




タグ:都市鑑賞
posted by pictist at 18:59| 都市鑑賞

2020年12月04日

岡ビル(内側から見る岡山)

都市鑑賞会「内側から見る岡山」で見学させていただいた岡ビル(通称「岡ビル市場」)。普段は入れない屋上にも入らせてもらえて、貴重な経験になりました。

住戸の室内の様子も玄関先から見せてもらいましたが、実はあの部屋の住人は私の友人なのです。福本くんありがとう。

その福本くんが、貴重な写真を見せてくれました。彼のお父さんが小学生の頃に、岡ビルで撮った写真です(つまり撮影者はお祖父さんかな?)。62〜63年前とのことなので、岡ビルができて6〜7年目の様子だと思います。

同じ位置から撮った現在の様子と並べてみました。

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拡大してじっくり見ると、いろいろ発見があって興味深いです。

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こちらは部屋の中から見た玄関ドア。覗き窓がついてるんですね。普段はここに布をかけてあって、外から見えないようにしています。

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そういえば岡ビルのドアは内開きなんですよね。現在、日本の住宅のドアは圧倒的に外開きが多いわけですが、岡ビルは欧米の住宅を参考にしたのでしょう。

上の通路の写真にも少し写っていますが、通路側の窓も「滑り出し窓」になってます。これも西洋式。当時は珍しかったでしょうね。

以前なにかで読んだんですが、アメリカ映画で、登場人物がドアを蹴破って部屋に突入するシーンがよくありますよね。あれは内開きが基本になっている欧米の住宅だからこそ成立するシーンなのだと。なるほどと思いました。

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ドアポスト。これは外側からです。

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内側から見るとこう。

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昭和26年(1951年)竣工。設計者の久米権九郎は日本の公営住宅計画に携わった人で、大阪の公団千里山団地(昭和32年/1957年完成)など、初期の公団住宅を数多く手がけています。

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西側の道路に立って、東を向いたところ。


俯瞰で見ると分かりやすいですが、上から見ると櫛のような形になっています。「E」にもう1本横棒がある感じ。4棟あって、それが西側の通路でつながっている格好です。

東側には別棟が建っていて、南東(上のマップでは右下)の棟にはかつて共同浴場がありました。岡ビルには当初、室内にお風呂場がついてなかったので、住人のみなさんはこの共同浴場を利用していました。

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かつて浴場だった棟は、現在は自転車置き場として利用されています。壁には今もタイルが残っていて、鏡の痕跡があるのが分かります。

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隅のラウンドもいい。

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一階が店舗、二階から上が居住エリアになっている、いわゆる「ゲタバキ住宅」。

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西側通路から東を向いたところ。

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居住通路から見た西側通路。

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これはだいぶ前にペッ景として撮った写真。

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1階の市場から伸びる煙突が独特の景をつくっています。

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そして屋上へ。高いビルがまわりにある今でもグッドビューだったので、完成当時はさぞ見晴らしがよかったでしょうね。

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喜多村病院をこんな角度から見ることもできました。

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いつも下から見えている看板を間近で。

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西側通路。

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地元では「岡ビル市場」と呼ばれていますが、正式には「岡ビル百貨店」なんですね。ちなみに建設当時の設計図面には「岡ビル商場」と書かれています。

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再開発の話が出てはいますが、とりあえず今現在、具体的な時期は決まっていません。まだ当分、岡ビルの雰囲気を楽しめそうです。

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久しぶりに「みつめや」さんの揚げ物が食べたくなってきたー。さっそく買いにいこう。





posted by pictist at 13:59| 都市鑑賞