2019年12月29日

2019年の活動記録

〈1月〉
ピクトさんサコッシュ(限定生産)をリリース >>

〈3月〉
富山県美術館「わたしはどこにいる? 道標(サイン)をめぐるアートとデザイン」展にてピクトさんグッズ各種を販売/2019年3月9日(土)〜5月19日(日) >>

〈6月〉
ピクトさんTシャツ2019(全27色)をリリース >>

〈8月〉
セゾンカード会員誌「express」2019年9月号「特集 語るピクトグラム」に「ピクトさん、いつもありがとう」を寄稿 >>

〈10月〉
岡山芸術交流2019:パブリックプログラム「みんなで見つける おかやま街角鑑賞」の企画・Webサイト制作・コラム執筆・イベント出演(共作) >>

〈その他〉
・「装飾テント」の執筆で参加した『街角図鑑』が4刷になりました。
・株式会社タグチ工業が発行するフリーペーパー社内報「ガジラ通信」でコラム「すみっこ鑑賞入門」を連載中です。
・岡山市の学童保育で「ピクトさん」をテーマにプレゼンテーションしました。


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【今年書いた都市鑑賞系のブログ記事】

・ちょっと曲がった道:『せとうちスタイル』Vol.4より

・ため池に高架橋脚

・山王市場通商店街の素敵なカーブ

・清心温泉の鏡広告

・岡山大学医学部研究棟

・さよなら大正建築

・魅惑の旦過市場

・小倉のスパイラルエスカレーター

・半田山配水地

・酒津15連樋門

・三野浄水場の無名建築がかっこいい

・総社市の商店街筋

・櫃石島インターチェンジの高架橋脚

・岡山市民会館と山陽放送会館

・岡山市民会館のかっこいい場所

・岡山県産業会館のオールド送水口

・「高梁川東西用水組合」事務所棟

・さよなら高島給水塔

・岡山芸術交流「おかやま街角鑑賞」の記録


タグ:活動記録
posted by pictist at 02:16| あれこれ

2019年12月08日

岡山県産業会館のオールド送水口

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*岡山芸術交流オルタナティブマップ「街角コラム」より転載

岡山県産業会館(岡山市北区田町1丁目3−1)は昭和31年竣工。このビルの1階西側に古い送水口が付設されている。この送水口は非常に珍しいものだ。

どのあたりが珍しいのか。まず「SIAMESE CONNECTION」というアルファベット表記。送水口の表記は、昭和36年の消防法施行令により「送水口」と漢字書きに統一された。だからアルファベット表記の送水口はかなり古いもので、したがって現存数も少ない。

ちなみに漢字表記以外では「SIAMESE CONNECTION」の他に「サイアミーズ コネクション」「サイヤミーズ コネクション」「STANDPIPE」がある。

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次に、逆三角形型の飾り板。このタイプの飾り板は、現存するものとしては日本国内で5基しか確認されていない。岡山県内では唯一の逆三角形型だ。しかも「SIAMESE CONNECTION」表記で、かつ逆三角形型の送水口は、全国で現存2基のみ。

そしてこの送水口のもっとも珍しい点は、「HARUNA」という謎の表記である。このような表記が入っている送水口は、今のところ他では確認されていない。唯一のものだ。HARUNAがいったいなんなのかも、判明していない(メーカー名である可能性が高いが断定できない)。

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付設当初はピカピカに輝いていたはずの送水口が、60年以上のときを経て、いい感じに緑青をまとっている。いわば「熟成」である。ウィスキーやワインと同じように、歳月にしかつくることのできない味わいがある。

岡山県産業会館は廃止が決定しているそうだ。いずれ建物も解体されるのだろうか。これほどの貴重な送水口がなくなってしまうのは残念。今のうちにじっくり鑑賞しておこう。

*取材協力/ウェブサイト「送水口倶楽部」管理人 AYA様




タグ:都市鑑賞
posted by pictist at 19:52| 都市鑑賞

「高梁川東西用水組合」事務所棟

先日、高梁川東西用水組合(倉敷市)の「中の人」のご厚意により、事務所棟(1926年/大正15年竣工)を見学させていただきました。やったー。
(参考記事/酒津15連樋門

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明治44年(1911年)から大正14年(1925年)年にかけて高梁川の改修工事がおこなわれ、同時に高梁川東西用水組合が設立されました。その事務所棟としてつくられたのがこの建物です。今も現役。

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ポーチの柱がいかにも当時のデザイン。アール・デコ調です。

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S形瓦。

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建物をぐるりと囲う盛り土が特徴的。まるで川に沿う堤防のよう。

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1階と2階のあいだの踊り場。

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親柱のレリーフが気になりました。3つの丸と、10個の丸。なにかを意味してるのでしょうか。

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ランプもかっこよかった。

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この事務所棟はわずか半年でつくられたそうです。それが90年以上も残ってるんですねえ。

見学を快く承諾してくださり、ご案内までしてくださった高梁川東西用水組合のHさん、どうもありがとうございました。

高梁川東西用水組合では現在、高梁川改修工事の歴史をまとめた記念本をつくっているそうです。来年(2020年)刊行予定とのこと。完成を楽しみにしています。




posted by pictist at 01:53| 都市鑑賞

2019年12月07日

さよなら高島給水塔

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高島給水塔(岡山市中区新築港、1977年/昭和52年竣工)のお別れ鑑賞会をしてきました。来年(2020年)、解体されるという情報が入ってきたからです。

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この給水塔、近くの島(高島)に送水するためのものだと思っていたら違ってて。入港する船や港湾施設に給水するためにつくられたとのこと。そもそも高島に住民はおらず、水を送る必要はないと。ここが「高島埠頭」だから高島給水塔なのでした。

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この上についてるナミナミのやつ、遠目にチェーンかなと思ってたらアルミ製の柵でした(設計図面で確認)。わざわざこうやってカーブさせたものをつくったんですね。かわいい。あと窓もかわいい。

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ここはかつて「西部警察 PARTIII」 第39話、「激闘!! 炎の瀬戸内海」(1984年2月12日放送)のロケ地になった場所。高島給水塔も映っていました。

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炎越しの給水塔。よく見ると上に人がいることが分かります。撮影隊でしょうね。今回の鑑賞会は団地マニアのはたっちさんとラジオ塔研究者の一幡さんの3人で行ったんですが、はたっちさんは幼い頃、このロケを親御さんに連れられて見ていたそうです(記憶には残ってないけど)。

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高島給水塔は、海のほうを向いています。正面(窓と入口がある側)が港湾側から見えるように建てられている。役割を考えれば当然のことなんだろうけど、なんかいいなあ、と思いました。多くの人はきっと街側(背中側)からしか見たことがないはずです。

港湾で働く人たちだけが、いつもこの給水塔と顔を合わせていたんですね。





posted by pictist at 03:21| 都市鑑賞

岡山芸術交流「おかやま街角鑑賞」の記録

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終了してだいぶ経ちましたが、振り返りの記録です。

岡山芸術交流2019の関連プロジェクトとして「みんなで見つける おかやま街角鑑賞」というイベントを企画しました。2016年に作成した「岡山芸術交流オルタナティブマップ」を発展させ、次のステップとして考案したものです。

私たちオルタナティブマップの制作者が選んだ鑑賞スポットを見て楽しんでいただけるのはとてもうれしいのですが、それで終わりにするのではなく、今度は地域のみなさんにも参加(発見)してもらおうと考えました。そこで、みなさんに「私の鑑賞作品」を投稿してもらうことにしたのです。

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2016年に制作した「岡山芸術交流オルタナティブマップ」で私が一番伝えたかったことは「街にあるものを『作品』として鑑賞してみると面白いよ」ということでした。オルタナティブマップに掲載した鑑賞スポットは、あくまでも制作した3人の目線(価値観)で切り取ったもの。もっとたくさんの目線が集まれば、より豊かな鑑賞につながるだろうと思うのです。

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10月・11月に、奉還町のKAMPさんと岡ビル市場でトークイベント&街歩きを開催。みなさんが投稿してくださった写真を見るのはとても楽しかったです。その場で30分間だけ会場周辺を撮り歩くという限定された条件ではありましたが、それでもこちらがハッとする写真をたくさん見ることができました(2回とも参加してくださった方も何人かいてうれしかったです)。

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「街を見る=自分にとっての鑑賞価値を見つける」ことが多くの人にとって当たり前になっていけばいいなと思っています。誰かに「これは見る価値がありますよ」と言われたから見るのではなく、自分で見る価値を決めること。そこには正解も不正解もありません。「私にとってグッとくるもの」を見つけるのって、単純に楽しいんですよね。自分の見つけたものが他の誰かに伝わったら、もっと楽しい。逆に「他人の価値観にハッとする」のも楽しい。

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イベントでは、私が撮り集めた街角写真を例として紹介しました。参加者の方にとっては「当日、その場で見つけて投稿しなければならない」という条件があったため、参加しやすいように、意識的にビジュアル系のネタ(看板や壁など)を中心に紹介しました。

でも本当は、表面的な「見た目」だけで選ばなくてもいいんです。例えば商店。何十年も営業しているお店が岡山にはたくさんありますよね。「見た目」ではなんの変哲もないお店だったとしても、歴史を知ると「これは街の財産だね」ということになる。「じゃあこのお店の包み紙のデザインを鑑賞作品として切り取ろう」と思ったり。これはほんの一例ですが、そういうふうに時間をかけて街とコミットしていけば、価値を見つけ、鑑賞スポットとして切り取ることができるはずです。

そうしたアクションが特別なものではなく、みんなにとって当たり前になっていけばいいなあ、といつも思っています。そうなれば、「みんなで見つける」を超えて、今度は「みんなでつくる」おかやま街角鑑賞につながっていくのではないでしょうか。

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今回のイベントでは2回とも私がレクチャーしましたが、例えば都市鑑賞系の作家さんをゲストにお招きして、「ソトの眼」を借りつつ一緒に街歩き&イベントができたら、より有意義な時間をお客さんに提供できるのになあ……と思ったりしてました。しかし限られた条件の中でなかなかすべてを実現することはできず。またいつかそのような企画ができることを願っています。

参加いただいたみなさま、どうもありがとうございました。


岡山芸術交流オルタナティブマップ



タグ:都市鑑賞
posted by pictist at 02:03| 都市鑑賞