三野浄水場(岡山市北区三野)は近代化遺産に興味のある人にはよく知られていて、ネットで検索するといろいろなブログ記事がヒットします。みなさん明治38年(1905年)に完成したこの「旧動力室・送水ポンプ室」を鑑賞しにやって来るんですね。


この建物は現在「岡山市水道記念館」として活用されていて、無料で入館することができます。建物の隣りにある「旧動力室煙突」も見どころの一つ。八角形で、もとは30メートルほどあったそう。現在は上部が撤去されて短くなっています。

しかし地元岡山に住む私は言いたい。三野浄水場の見どころは「旧動力室・送水ポンプ室」や「旧動力室煙突」だけじゃないんだよ、と。ネットで「三野浄水場」を検索しても、出てくる写真はこの2つばかり(あと濾過池と)。そりゃ登録有形文化財だから貴重ですよ。でも待って。まだ帰らないで。横を向いて。すぐそばにこんなすてきな建物があるんです。

じゃーん。総合取水ポンプ室だ!(昭和36年/1961年竣工)

いいでしょ?

いいよね!





ほんと不思議なんだけど、この総合取水ポンプ室の写真、検索してもまったく出てこないんです。これまで鑑賞しようとした人はいなかったのか。敷地内で普通に目に入るのに。
三野浄水場の見どころ、まだあります。こちらの「無名建築」も見てほしい。


中央管理棟(昭和47年/1972竣工)。「旧動力室・送水ポンプ室」のすぐ横にあります。ハリハリというか、サクサクというか。
さらにこちら。

送水ポンプ室(昭和43年/1968年竣工)。入口のスロープの手すりに注目してください。

樋になってるんです。きっと「水の流れ」を意識したものでしょう。雨の日に見てみたい。

他にもこんな水飲み場があったり。

浄水池の出入口。後ろ姿がかわいい。
三野浄水場を出たら、帰りに取水塔も見てみてね。ここから旭川の伏流水(地下水)を取水しています。

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posted by pictist at 23:02|
都市鑑賞