2016年11月24日

岡山の知られざる地下道

岡山駅からそれほど離れていない場所に、こんな地下道があることを最近知りました。

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自転車がやっとすれ違えるほどの狭い道。しかも薄暗くて、ちょっとRPG感ある。20年近く岡山市街地に住んでるんですが、今までこんな道があることを知りませんでした。何人かの知人にも聞いてみたけど、みんな初めて知ったとのこと。

実際にこの地下道を利用する住民の方だけが知っている道なのでしょう。名前は「二十四ヶ坪地下道」。「坪」というのは古代〜中世の土地区画の単位なんだそうです。

場所はここ、岡山駅の西南西。南北にJR線を2本くぐっています。


私はかつてこの入口の前の道を自転車で通ったことがあるんですが、完全に見逃してました。だってこんななんですよ。

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この写真は上記オレンジの線の下端、つまり地下道の南口に立って北を向いた状態です。写真の下にちょっと見えてますが、東西方向に用水路が流れています。で、用水路の向こうが低くなっている。

用水路の向こう側に行くと……

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東側から坂道を降りてきて、西を向いている状態です。右に曲がると地下道。

こう。

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そしてこう。

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地下道を抜けて北側に出て、振り返った風景がこちら。

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ここから車道に出るまでさらに何十メートルかあるので、知らない人が多いのも頷けます。こういうスポットは日常の中のちょっとしたアトラクションみたいな感じで、面白いですね。

■追記:似た地下通路がもう一つありました。岡山市北区野田4丁目、福山通運のターミナルの向かいに地下道の入口があります。土井西地下道。こちらは途中から道幅が少し狭くなっているところが良かった。

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■さらに追記:土井西地下道は2019年にルート変更工事によって改修されました。南側にあった入口が別の位置に付け替えられています。

改修前の土井西地下道南口。
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こちらは改修・付け替え後の同じ場所。駐車場になってます。
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再び改修前の姿。
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北口はこんな感じ。これは改修前に撮ったものですが、ここの様子は改修後もほぼ変わっていません。
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改修後の地下道。通路は途中まで変わらず古いままです。
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【2021.12.16追記】
再訪して写真を撮り直してきました。
二十四ヶ坪地下道ふたたび





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2016年11月07日

岡山芸術交流「オルタナティブマップ」をつくりました

いま岡山市で「岡山芸術交流2016」という
国際アート展覧会が開催されてまして。

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「岡山芸術交流」についてはこちらをご参照ください。
http://www.okayamaartsummit.jp

その関連プログラムで
「オルタナティブマップ」というものをつくりました。

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これは、街のさまざまな場所を「作品」として
鑑賞してもらおうという主旨で制作した、
ちょっと変わった街歩きマップ(パンフレット)です。

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お店や文化スポットなどを紹介しているのですが、
観光案内パンフレットのような紹介の仕方ではなく、
それぞれの場所にある何か(例えば看板など)を
写真で切り取り、鑑賞文を添えています。
写真はすべて私が撮っています。

エリア別に全3部作つくっていて、
現在第2弾まで配布が完了しています。

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眼/発見(美術館エリア)
鼻/探求(西川エリア)
口/伝播(奉還町エリア)

私を含む3名の推薦・執筆者が参加しています。
3人それぞれの目線の違いもあるので、
なおさら個性的な内容になっていると思います。

他の2名はギャラリストの桑田さんと、
デザイナーの軸原さん(コチャエ)。
軸原さんはデザインも担当されています。
表紙を見れば一目瞭然ですよね。

このパンフを持って岡山市街地の散策を
楽しんでもらいたいのはもちろんなのですが、
それ以上に、これを見たみなさんが
今度は自分の住む街を同じ目線で
新しく捉え直してもらえるとうれしいです。

岡山芸術交流「オルタナティブマップ」は
岡山市街の飲食店やホテルなどの他、
以下の施設で入手することができます。

岡山市役所
岡山市観光案内所
ももたろう観光センター
岡山シティミュージアム
岡山シンフォニーホール
オリエント美術館
出石しろまち工房
岡山市民文化ホール
福祉文化会館
岡山市民会館
岡山国際交流センター
西川アイプラザ
西大寺百花プラザ
さんかく岡山
区役所
公民館
図書館


けっこう人気で、すぐなくなるので
何度も補充してるらしいです。
なくなってたらすみません。

そんなときはこちら。
ウェブ版も制作しました!
http://oasamap.jp

文章の末尾に(U)と付いているのが
私の推薦・執筆コマです。
例えばこれとか。
「岡山城下の擬木」

これも面白いです。土地の記憶。
「カーブするビル」

煉瓦萌え。
「相生橋水位観測所」

『タイポさんぽ』に掲載されている名品も。
「喫茶室イブリク」

これがいちばん振り切ってるかな。
「出石町の壁彫刻」

もちろん装テンも紹介。
「大樹の装飾テント」

岡山市民も意外と知らない岡山駅の見どころ。
「古レールの支柱」

「岡山芸術交流2016」は11月27日(日)に終了しますが、
街の鑑賞はいつまでもできます。
この「オルタナティブマップ」を楽しんだら、
今度はぜひ自分なりの鑑賞ポイントを見つけてみてください。

と、これを書いている現在、
最後の第3弾マップの原稿校正をしているところ。
奉還町エリア、もうすぐ入稿です。
もちろん近日中にウェブにも追加されるので、お楽しみに。

【追記】
無事に3部作が完成し、上記県内各所で配布中です。
また、全国の美術館(下記)にも少部数ずつですが配布していますので、
見かけたら手に取ってみてください。
PDFファイルもこちらからダウンロードできます。

美術館エリア/https://oasamap.jp/wp-content/themes/omap_web/assets/OAM-Discovery.pdf
西川エリア/https://oasamap.jp/wp-content/themes/omap_web/assets/OAM-Quest.pdf
奉還町エリア/https://oasamap.jp/wp-content/themes/omap_web/assets/OAM-Propagatio.pdf

紹介しているスポットそのものは岡山を訪れない人には
興味が湧きづらいかもしれませんが、
「これと同じ目線で自分の住む街を見たらどうだろう」
という好奇心へつなげてもらえたらと思っています。

私たちは、身近にある市井のデザイン、
あるいは無名のアートを見過ごしがちです。
また、重要文化財や教科書に載っているような遺跡は目に入りますが、
町の中にある「小さな歴史」や「日常にとけ込んだ文化」には
なかなか気づけないものです。
みんながそういった身近にある「作品」を掘り起こしていったら、
全国どこでも、街歩きがさらに面白くなるはず。

私はこのマップの全国各地版が見てみたいです。
どんどん真似してつくってください。


県外の配布先はこちら。
国立新美術館
東京国立近代美術館
東京藝術大学美術館
森美術館
トーキョー・ワンダーサイト本郷
トーキョー・ワンダーサイト渋谷
東京オペラシティアートギャラリー
東京都美術館
東京都写真美術館
原美術館
ワタリウム美術館
21_21 Design Sight
3331アーツ千代田
BankART Studio NYK
NADiff a/p/a/r/t
水戸芸術館現代美術センター
横浜美術館
神奈川県立近代美術館
川崎市岡本太郎美術館
金沢21世紀美術館
せんだいメディアテーク
名古屋市美術館
愛知県芸術文化センター
大阪市立美術館
国立国際美術館
国立民族学博物館
奈良県立美術館
滋賀県立近代美術館
京都芸術センター
京都造形芸術大学・芸術文化情報センター
京都国立近代美術館
京都市美術館
兵庫県立美術館
神戸アートビレッジセンター
芦屋市立美術博物館
西宮市大谷記念美術館
伊丹市立美術館
和歌山県立近代美術館
姫路市立美術館
米子美術館
島根県立美術館
奈義町現代美術館
地中美術館
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
高松市立美術館
高知県立美術館
愛媛県美術館
大原美術館
ふくやま美術館
広島市現代美術館
広島県立美術館
山口情報芸術センター
下関市立美術館
山口県立美術館
秋吉台国際芸術村
徳島県立近代美術館
現代美術センターCCA北九州
北九州市立美術館
福岡県立美術館
福岡アジア美術館
福岡市美術館
熊本市現代美術館

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posted by pictist at 08:21| 都市鑑賞